【第60回総会決議】国民のいのちをまもることを第一に掲げる政治を実現しよう

新型コロナウイルスの国内初感染者が出てから1年8カ月が経過した。この間、日本政府は国民に行動自粛を呼びかけるだけで、感染症対策の基本である検査・隔離・治療をおざなりにしてきた。その結果、第4波での大阪の教訓は活かされることなく、7月からの第5波で医療崩壊・保健所崩壊は全国に広がってしまった。そうした中、あろうことか菅義偉首相は「原則自宅療養」という方針を示し、医療どころか保健所の健康観察さえ受けられずに自宅で亡くなる方まで生み出した。科学を軽視し、無為無策が続く政府への国民的批判から逃げ出すように菅首相は9月3日に辞意を表明した。同月29日に新しい自民党総裁が決まるが、候補者の顔ぶれは9年間の安倍・菅政権を支えてきた面々ばかりである。

菅首相は「自助・共助・公助、まずは自分でやってみる」と、国民のいのちやくらしを守る政策には背を向けてきた。結果、コロナ禍で生活に困窮する国民が増える一方、大企業の内部留保は766.8兆円と過去最高額を更新し、格差はより一層広がった。この矛盾を指摘し、すべてに自己責任を押し付ける新自由主義からの脱却を求める声は日増しに高まるばかりである。

医療崩壊に陥った原因は、長年の低医療費政策の下で行われてきた公的・公立病院の統廃合や医師・看護師数の抑制、低い診療報酬にある。にもかかわらず、感染拡大の新たな波が起きるたび、政府は医療崩壊を引き起こした責任を医療現場に押し付け、医療機関と国民との分断を図ってきた。診療でのコロナ感染への補償もなく、新型コロナの影響による減収も継続している中で迎える次期診療報酬改定では、毅然とプラス改定を要求するとともに、国民への理解を広げる取り組みをするなど、地域医療と医療機関を守る活動をより一層進める決意であることを表明する。

大阪では、当初から必要性が訴えられてきた臨時の大規模医療施設の開設準備がようやく進められている。開設の方針自体は評価できるが、蓋を開けてみれば軽症者を収容するハコを用意しただけで“医療施設”と言えるものでは全くなく、まだ中身も運営主体も決まっていない中での吉村知事のマスコミ発表は、相変わらずのパフォーマンスだけであることを指摘しておかなければならない。求められるのは空疎な方針発表ではなく、現場と綿密に調整を図り、実際に円滑に運用するための地道な作業であり、業務逼迫に喘ぐコロナ受け入れ医療機関・保健所への抜本的な増員である。

大阪府保険医協会は、近々行われる衆議院選挙で、国民のいのちをまもることを第一に掲げる政治を実現するための活動を強化していく。医療・住民福祉を充実させる政治を実現しよう。

2021年9月25日
大阪府保険医協会
第60回定期総会


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