カテゴリー:「都構想」!?どこがウソ!?市解体の実態を探る
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〈最終回〉都構想がなぜ必要? 本当に「説明は十分」か
ノンフィクションライター 松本 創 「法定協議会で36回も議論し、その間には選挙もあった。大阪都構想の説明は十分に尽くしてきたし、今後もネットなどを活用してやっていく。しかし立場によっては、いくら説明しても足りないと言う人もいるだろう」 8月28日の大阪府議会で「特別区設置協… -
〈第17回〉メディアの後押しで増大する維新首長の人気
ノンフィクションライター 松本 創 これは徹頭徹尾メディアの問題である──。2015年に刊行した拙著『誰が「橋下徹」をつくったか』の中で、そう書いた。 テレビのタレント弁護士から首長となった橋下氏は約8年にわたって大阪を席巻し、敗れたとはいえ、大阪市解体の住民投票にまで突き進… -
〈第16回〉維新10年の「改革」は大阪に何をもたらしたか
大阪都構想の「ウソ」を明らかにするのが本連載の趣旨だが、まずは、大阪維新の会が発足から10年で大阪に何をもたらし、何を切り捨てたのかを考えてみたい。維新の「改革」の方向性は、都構想とも密接に関わるからである。 新型コロナ禍による緊急事態宣言が解除された5月末、「維新下の大阪を往… -
〈第15回〉コロナ禍で改めて問われる大阪の街の在り方
編集者/著述家 江 弘毅 7月初旬のとある新聞に心斎橋北商店街理事長のインタビューが載っていた。中国人向けのドラッグストアや眼鏡店が5店舗閉鎖し、4店舗が休業中であるとのことだ。飲食店の店主は7月になっても「夜8時以降はお客が来ず、2回転しない」と嘆いている。 少なくとも半年… -
〈第14回〉市民を分断し信頼を裏切る政策以前の政治目的の遂行
編集者/著述家 江 弘毅 わたしは『「うまいもん屋」からの大阪論』など大阪の街場について書いたり雑誌を編集してきたりしてきたが、読者の間に「新刊の大阪の街についての視点は面白くて同意できるが、江はまだ反維新なんだろうか」のようなことをSNSに書き込まれることがある。悲しすぎると… -
〈第13回〉街場から考える都構想
この『大阪保険医新聞』の5月合併号まで「うま安、大阪名物」の連載を書かせていただいていたが、今号から「街場から考える都構想」という連載を引き受けることとなった。 [caption id="attachment_8519" align="alignleft" width="1… -
〈第12回〉看板倒れの制度設計を市民に押し付ける構想
フリージャーナリスト 幸田 泉 大阪都構想は「二重行政の解消」と「ニア・イズ・ベター」が看板だ。政令指定都市の大阪市を廃止するので「大阪府と大阪市の二重行政が無くなる」。人口270万人の大阪市を60万~70万人ぐらいの特別区に4分割するので、「人口規模が小さくなり市民の声が行政… -
〈第11回〉「都構想」の法定協は法治国家のルール無用の出来レース
フリージャーナリスト 幸田 泉 大阪都構想は最初、大阪市を五つの特別区に分割する案だった。これが2015年5月に行われた大阪市民の住民投票で否決されたので、今度は四つに分割することになった。 このように大阪市を幾つに分割するのかなど大阪都構想の設計図である「特別区設置協定書」… -
〈第10回〉コロナ禍に「都構想」を住民投票ありきで進めていいのか
大阪市を廃止して特別区に分割する「大阪都構想」は、大阪発の地域政党「大阪維新の会」(以下、維新と言う)の看板政策である。これは法律によって、大阪市民の住民投票で賛成多数にならなくては実現できないと定められており、2015年5月に行われた住民投票では僅差で否決された。 その一方で… -
〈第9回〉賛成率が高いのは住民と地域の関係が希薄な地域
帝塚山学院大学 教授 薬師院やくしいん 仁志ひとし 大阪市住民投票の場合、出口調査や世論調査に照らせば、高齢層の反対率が高かった一方、現役世代では賛成率が相対的に高かった点は事実なのだろう。しかしながら、それは単なる世代差に起因するものではない。住民の世代構成は、各地域の家族形…