【中医協へ要望書送付】「電子レセの記載要領選択式コード化」の凍結を求める医療機関の声を中医協の場に反映してください。
大阪府保険医協会は昨年10月診療分から実施されている「電子レセの記載要領選択式コード化」の凍結を求め3月25日、中央社会保険医療協議会(中医協)委員に下記の要望書を送付いたしました。
「電子レセの記載要領選択式コード化」の凍結を求める医療機関の声を中医協の場に反映してください。
日頃は国民医療の発展にご尽力いただきまして誠にありがとうございます。大阪府保険医協会は府下の開業医を中心とし、勤務医を含めた約6000人が加入している団体です。保険医協会では国民医療の発展を目指し、様々な事業に取り組んでいます。
さて、昨年の10月診療分から完全実施となった「電子レセの記載要領選択式コード化」により医療現場に大きな混乱が生じています。11月に保険医協会が実施した実態アンケートには8割の医療機関から請求事務作業が「増えた」との回答が寄せられました。特に在宅医療では「重複した年月日を別コードで何度も入力しなければならない」「月の請求書であるレセプトになぜ元号から入力しないといけないのか」、検査でも「病名で部位が分かるのになぜ超音波の部位をコード入力するのか」など多くの怒りの声が寄せられています(※中医協委員の方々にはアンケートまとめを同封しています)。診療報酬請求だけではなく、電子カルテと連携している場合ではカルテ記載の際にコード入力を求められ、「診療が止まってしまう」との意見も寄せられています。
今回の「電子レセの記載要領選択式コード化」について、厚労省は「事務作業量の軽減に資する」と説明しており、現場の実態とはあまりに乖離しています。また混乱の要因を「新型コロナ感染拡大による周知不足」とも説明していますが、その内容に大きな問題があり、周知徹底を行っても医療機関の納得を得られるものではありません。今、医療機関は新型コロナウイルス感染対策による大きな緊張を強いられた状況で診療を行っています。今回のコード化はそうした医療機関に更なる負担増となっています。
何卒来年の診療報酬改定に向けた中医協の議論では「電子レセの記載要領選択式コード化」について、コロナ禍に苦しむ医療現場にこれ以上の負担をさせないようご議論いただきたく存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
2021年3月25日
大阪府保険医協会
理事長 高本英司
医療活動部 井上美佐