「面談」は保険医の大切な権利 廃止がもたらす審査の画一化への懸念

再審査請求に関して「面談による異議申請」が今年の4月から原則廃止されるという通知が出されました。面談による異議申請は全国でも大阪独自の制度であり、大阪府保険医協会には、会員医療機関から存続を求める声が多く届けられています。そこで、会員医療機関にインタビューを行い、廃止がもたらす問題点などをお聞きしました。なお、要望により匿名とさせていただきます。

―再審査請求について面談による異議申請の制度が原則廃止されようとしています。これに関して先生の思いを教えてください。

私たち医師は、患者さんに安心安全な医療を提供したうえで、保険診療のルールに則った請求をしています。その請求に関して「保険診療のルールから外れている」と判断された場合に行われるのが査定です。

しかし医師は「医学的に必要」という観点から一連の行為を行うのであり、保険診療のルールから逸脱していると思って診療・請求しているわけではありません。このお互いの溝に関して、直接会って話し合い、認識をすり合わせていたのが「面談による異議申請」でした。これが原則廃止されることは絶対に許されないことです。

―異議申請を書面ではなく「面談」で行う意義は何でしょうか。

医療機関が必要と判断して行った保険請求の内容に対して、審査の結果認められなかった場合、増減点連絡書が届きます。

しかし、減点の理由については記号が示されるだけで、いったい何のために「過剰」や「医学的に認められない」と判断されたのかわかりません。最近では「その他」を理由にするものも多く、なおさら問題です。

もし、こちらに誤解があったのだとしても、理由がわからなければ改善することは困難です。そうした中で、書面による再審査請求を行ったとしても「原審通り」とだけ返されては納得することはできません。

「面談」は、書面では見えてこない査定理由を知ることができ、医療機関の意見も述べることができる貴重な機会であり、保険医の「権利」として無くてはならないものです。

面談による異議申請は、全国でも大阪独自の制度であり、私たち医師の運動によって、権利として勝ち取ってきたものです。それがコロナ禍のどさくさ紛れで失われようとしているのです。

面談廃止によって「医師の裁量権」が侵害される

―面談がなくなることで他にどういったことが懸念されるでしょうか。

今回の廃止に関して、通知では「国から審査支払機関の全国的な統一に向かう考えが示されている」ことを背景に挙げています。

国は「支払基金業務効率化・高度化計画」の柱として「審査業務の効率化」「審査基準の統一化」「支部組織の体制の在り方」などを挙げており(下表)、面談の廃止によって、画一的な審査が一気に進む恐れがあります。

患者さんの状態や環境は一人ひとり異なっています。私たち医師は患者さんの社会的背景なども総合的に見ながら医療を提供しています。画一的な審査が進むことで、個別性を勘案した医療が提供できなくなることを懸念しています。

「面談の異議申請の廃止」は、医師の裁量権の侵害に繋がるものであり、患者さんにとっても必要な医療が受けられなくなる恐れがあるのです。

―会員の先生方に対して訴えたいことがあれば教えてください。

新型コロナ禍の中、先生方は皆苦労しながら地域医療を守るために奮闘しておられることと思います。そうした中で保険医の権利を奪おうとすることに対しては、ぜひ、抗議の声をあげていただきたいと思います。保険医協会も撤回を求めるために運動を進めていただきたいです。

―本日はありがとうございました。

大阪府保険医協会は面談の異議申請廃止に関してアンケート調査に取り組んでいます。ぜひ先生方のご意見をお寄せください。


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