2021年3月26日

大阪府保険医協会
理事長 高本英司

大阪府歯科保険医協会
理事長 小澤 力

大阪府議会(24日)、大阪市会(26日)において「広域行政一元化」条例案が可決・成立した。

条例案は大阪市域の成長戦略に関わる事業が府に事務委託され、「副首都推進本部(大阪府市)会議」を条例で位置付け、基礎自治体にとって重要な都市計画の意思決定や行政上の方針を「副首都推進本部会議」主導で取り決めることになり、事実上の「大阪市解体」といわざるを得ない。

そもそも、昨年11月の住民投票で特別区制度(いわゆる「大阪都構想」)は反対多数で否決され、大阪都構想には決着がついた。それにも関わらず、市の権限を弱める条例案を提案する大阪維新の会のこうした行動は、大阪市民の苦渋の決断を踏みにじる行為であり、「広域行政一元化」条例は到底認められない。

われわれは3月1日、新型コロナウイルスが世界的に猛威をふるう中で、学者・知識人の方々と連携し、今は大阪府市として新型コロナ対策に専念すべきとし「広域行政一元化」条例案の撤回を求めるアピールを発表したが、大阪維新の会の条例案は地方自治等の趣旨からも違法との指摘も少なくなかった。

今回の条例提案に欠かせないパブリックコメントについても、条例案の全容を募集締め切り間近に出すなど、昨年秋の住民投票の時と同じく全く府民に情報を与えず十分に声を聞くこともなかった。また議会においても議論したとは到底言えず、市民にとって重要な条例案にも関わらず、こうした拙速なやり方は民主主義、議会を軽視するもので強く抗議する。

そして、われわれは「副首都推進本部会議」で今後どういった議論がなされているか実態を知らせ、大阪市民の財産がカジノなどの大型開発に吸い上げられることがないよう、多くの市民ともに粘り強く維新政治と闘っていくことを決意する。


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