〝生身の医師〟が診察する意味 ―医療現場へのAI導入を考える

 医師の診療・医療行為を人工知能(AI=Artificial Intelligence)が支援する日が来るのでしょうか。世界中で急速にAIの研究が進んでいる中、日本における研究のフロントランナー、帝京大学医療情報システム研究センター・麻酔科学教授である澤智博氏に講演をいただきます。
  人工知能は通常のコンピューターとは違い、自ら画像や文字などの特徴を認識した上で、重要性のレベルを判断し、それを踏まえてルール作りを行うという「深層学習」ができます。
 医療現場では、AIが患者の問診結果から重要な要点を抽出し、それがいかに重要かを判断した結果として、鑑別診断の補助を行えるのではないかと言われています。
 こうした中「補助に留まらず、人工知能が確定診断を行う未来が必ず来る」という医師が多いと言われています。また「ぜひ使ってみたい」という医師が4人に3人というデータもあります(『日経メディカル』2017年1月号)。
 しかし、人工知能に診療・医療行為の全てをゆだねると考えている医師は少数派と言われています。
 私たちが知りたいのは〝人工知能が一般開業医の現場にどのように現れ、どのような役割を果たすのか〟ではないでしょうか。
「医師の日々の診療技術といかに結びつき、発展していくための展望が人工知能にはどれほどあるのか」そして、一方では「患者固有の症状の経過から治療方針の組み立ては異なることがあるため100%正しい結果を出せるとは限らない」など様々な意見が出ています。
 今回の日常診療経験交流会のテーマは「人を診ること」です。人工知能が近い将来、医療現場に入ってくることが確実です。その情勢の中で、人間である〝生身の医師〟が人を診察することの意味を考える機会にしたいと思います。
 6月11日(日)に開催される第7回日常診療経験交流会に、ぜひご参加いただきますよう、よろしくお願いします。

(『大阪保険医新聞』2017年3月25日号1面より)


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