「二度と白衣を戦争の血で汚させない」ロシアのウクライナ侵攻を非難し、事態の平和的解決を求める
大阪府保険医協会反核平和委員会はロシアのウクライナ侵攻に対して、以下の抗議声明を発出しました。各国政府には事態の平和的解決に向けたあらゆる外交的・政治的努力を望みます。
「二度と白衣を戦争の血で汚させない」
ロシアのウクライナ侵攻を非難し、事態の平和的解決を求める
2022年2月25日
大阪府保険医協会 反核平和委員会
委員長 武田 勝文
ロシアのプーチン大統領はウクライナ領土の東部で親ロシア勢力が2014年に「独立」宣言している2つの地域(ドネツク・ルガンスク)を独立国として承認し、両地域への派兵を準備している。さらに2月24日、ウクライナ各地を空爆し、軍事侵攻を開始した。
今回のロシアの行動は、加盟国の主権、独立、領土保全の尊重を明記している国連憲章、国際法の基本原則にことごとく違反している。
今回の事態の一因にはウクライナが北大西洋条約機構(NATO)の加盟など親欧米政策を取ることへのロシアの危機感がある。しかし、各国には安全保障政策などを自ら決定する不可侵の権利がある。武力行使をもって他国の主権を歪める姿勢そのものが、平和な国際秩序を積極的に守るべき国連安保理の常任理事国としての責任を顧みない無謀な振る舞いと言うほかない。
そもそも自国の主張が聞き入れられないからといって、軍事侵攻をしかけ、脅しをかけることは現代の国家権力の行使として到底許されない。さらにプーチン大統領がいくらロシアとウクライナの一体性を強調しても、他国の領土の「独立」を一方的に承認することや軍事侵攻の正当性はどこにもない。
今後、本格的な軍事衝突となれば、軍民問わず、多くの犠牲者が出る。プーチン大統領は24日のテレビ演説で「外部からの邪魔を試みようとする者は誰であれ、歴史上で類を見ないほど大きな結果に直面するだろう」と語り、核兵器の使用も辞さない構えを示した。核兵器を違法とし,その製造,保有,使用などを禁止する核兵器禁止条約が発効した今、核兵器保有国として許されない発言で、絶対に実行させてはならない。
そして、この緊張状態の継続は周辺の国々を巻き込み、冷戦期のような状況が米露、欧州を中心に長期に生じる恐れがあり、そうなれば世界平和や経済への影響は計り知れない。
大阪府保険医協会 反核平和委員会は「二度と白衣を戦争の血で汚させない」との信念の下、様々な運動を行なってきた。
当会はロシアに対して軍事行動の即時停止と撤兵など事態の平和的解決を強く求める。
今回、ロシアが見せた地元住民の「保護」を目的に介入する手法は2014年クリミア半島を強引に併合した時と同じだ。こうした武力や資源を背景にした覇権主義的な動きに対し、国際社会が一致団結して、厳しく批判するとともに、戦端を開いたロシアに自制を求め、二度の大戦や冷戦の悲劇を繰り返すことのないよう、あらゆる外交・政治的努力を行なうことを日本政府を始め、各国に求める。
本件に関するお問い合わせは TEL: 06-6568-7721
大阪府保険医協会事務局・高田までお願いいたします。