医療の原点「人を診る」を考える【『大阪保険医雑誌』2017年6月5日号1面】


「日常診療のスキルアップをしよう」

保険医協会の学術集会である第7回日常診療経験交流会が6月11日、大阪国際交流センターで開催される運びとなりました。

日頃の保険医協会の活動といえば保険医療制度など医療政策的なものが多い印象ですが、この日常診療経験交流会では先生方の日々の診療での工夫や新しい発見、あるいは問題点などを持ち寄り、意見交換をして日常診療のスキルアップをしようというのが目的です。

今年のテーマは「人を診る」です。コンピュータの進化は著しく、医療の世界にもAI(人工知能)や手術・介護ロボットなどが取り入れられようとしています。人工知能による診断で医療の質の均一をはかると言われていますが、では人間の医師・看護師・介護士はどのような仕事をすることになるのか?コンピュータを使いこなしつつも人間対人間でなければ出来ないことが医療・介護の世界には多くあるのではないか?今を振り返ってみても、電子カルテやガイドライン、診療報酬に縛られて、きちんと「人を診る」ことが出来ているだろうか?

医療の最前線で患者の病気のみならず、生活にも直面して診療を行わなければならない保険医協会の先生方にふさわしいテーマではないかと思います。

まず、午前中には4つの分科会が開かれます。①医薬連携を含む多職種連携、②外来診療の工夫、③在宅医療と介護、④精神・障害・認知症・安全対策、となっております。非常に興味深い演題が並んでおります。是非足をお運び下さり、議論に参加していただければと期待します。

午後には記念講演として、帝京大学医療情報システム研究センター教授の澤智博先生をお招きして「医療におけるAIの現状と今後の展望」についてご講演頂きます。一般開業医にとってAIはどのように関わってくるのか、現在のAIは、そして将来にはどこまでのことが出来るのか。私達人間が〝人間を診る〟ということの意義を考える講演となるでしょう。

記念講演に続いてシンポジウムが開かれます。「地域医療における医薬連携」というタイトルで医師からみた医薬連携や訪問薬剤業務について、複数医療機関を受診する外来患者への多剤処方の問題をそれぞれ話題提供していただきます。

院外処方の診療所が主流となっている現在、患者に直接関わるものとして医師と薬剤師との情報交換は非常に重要なものと思われます。このたびは調剤薬局の薬剤師をシンポジストにお招きしました。医師・薬剤師の各々の役割や問題点などをざっくばらんに語り合いたいと思います。

先生方はもちろん、看護師や介護士、薬剤師やコ・メディカルスタッフの皆様が集って、医療の原点とも言える「人を診る」ということを大いに哲学しましょう。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

実行委員長 井上 美佐

ページ上部へ戻る