「マイナンバーカードを保険証代わりに」って大丈夫なの?

院内ポスター(PDF)

来年3月から医療機関の窓口でマイナンバーカードが健康保険証としても利用できる準備が進められています。厚労省は後期高齢者医療保険証などの更新時期に保険証と一緒に「マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになります」と記載されたリーフレットを同封しています。

Q.今の健康保険証は使えないの?

A.いいえ、今まで通り健康保険証で受診できます。医療機関では従来通り窓口で保険証による資格確認ができれば問題ないので、マイナンバーカードは必要ありません。

【ポイント1】
マイナンバーカードを作成するだけでは健康保険証として利用できません。

マイナンバーカードを作成するだけでは健康保険証として利用できません。受診する前に、必ず事前の手続きが必要となります。利用するためにはまず、マイナポータルというアプリをダウンロードし、登録に必要な事項を入力、申請します。スマートフォンで登録する場合はアプリのダウンロード、パソコンではカードリーダーでマイナンバーカードを読み取って手続きに進むなど、手続きは複雑なものとなっており手間も時間もかかります。

【ポイント2】
全ての医療機関で使えるわけではありません。

医療機関でマイナンバーカードを利用するためにはまず、医療機関がマイナンバーカードを読み取るための「カードリーダー」を導入する必要があります。しかし、このシステムの導入は義務ではありませんので、マイナンバーカードで受診しようとしても、医療機関によっては健康保険証として受け付けることが出来ない場合もあります。

Q.マイナンバーカードの利用はリスクがないの?

A.医療現場からは窓口でマイナンバーカードを扱うことに対し不安視される声が多数寄せられています。

【ポイント3】
マイナンバーカードの紛失などのリスクが大きい

マイナンバーカードを医療機関に持参する場合、普段は持ち歩かないカードを「紛失」する危険性が伴います。マイナンバーカードに埋め込まれているICチップには「プライバシー性が高い情報は組み込まれない」とされています。しかし、マイナンバーカードに記載されている12桁の数字自体が重大な個人情報です。紛失した場合、悪用される危険性は拭えません。また、国からは紛失や情報漏洩などのリスクに対する具体的な対策は示されていません。

Q.どうして国はマイナンバーカードを保険証として利用してほしいの?

A.マイナンバーと紐づけし、医療情報や保険料・納税額、口座情報など個人情報を一元化することで、より個人を管理しやすくなるからです。

【ポイント4】
マイナンバーカードを健康保険証として利用したい狙い

国の各種審議会の議論をみると「負担能力に応じた負担を求める」ため、マイナンバーで個人の金融資産や納税額や保険料、収支等を把握して、医療費の更なる自己負担を増やす狙いがあると考えられます。しかし、マイナンバーカードを取得している人は全国でわずか16%(20年4月1日時点)。マイナンバーカードの普及を図るために、長年検討されてきた健康保険証の代わりにマイナンバーカードの導入計画が本格的かつ迅速的に進められようとしています。

マイナンバーについては、もっと慎重な議論が必要

マイナンバーには個人の情報が満載です。政府はマイナンバーに健康に関わる情報や銀行口座も紐付けしようと考えています。一つの情報が漏洩する場合、芋づる式にその他の情報も漏洩する危険性があり、そのセキュリティーの議論もないまま、形だけの迅速的な普及はリスク以外ほかなりません。

医療現場の声

昨年4月に大阪府保険医協会が行った会員医療機関向けのアンケートでも、マイナンバーカードを健康保険証代わりにすることについて反対の声が多く寄せられました。以下、寄せられた声を一部紹介します。

  • 個人情報を守ると言いながら、個人の全ての情報が一本化され把握され不安です。
  • 今までの通りでよいと思います。何のためにマイナンバーを持ち込むのですか。
  • 何でもオンラインにすればいいものでもないと思います。今のままで十分です。
  • 監視社会を心配する。
  • マイナンバーと保険証は別にするべき。業者の利益になるだけ。
  • 診察カードの渡し忘れと同様マイナンバーカード返却忘れをおこしそう。

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