【第61回総会決議】

物価高騰、円安、そして本格的な値上げが10月と言われているなか、75歳以上高齢者の医療費窓口負担が2倍になる。およそ370万人が対象となり、大阪府では75歳以上高齢者の約19%、23万人が対象となる。大阪府保険医協会はじめ、全国では今もこの医療費負担2倍化に反対する運動を粘り強く続けており、反対の声を大きく広げ、秋の臨時国会において2割負担廃止を強く訴えていきたい。

高齢者だけでなく、国民の暮らし全体が逼迫し、完全失業率も深刻ななかで、大企業の内部留保は2021年度末で500兆円を超えている。また、来年度予算の概算要求では社会保障費の「自然増分削減」路線を続ける一方で軍事費は5兆6千億円と9年連続で過去最高を更新している。軍事費拡大と「敵基地攻撃能力」の保有が企てられるなか、沖縄県知事選挙が9月11日に投開票され、「沖縄を再び戦場にしてはならない」と訴える玉城デニー氏が再選し、2019年の県民投票を含めると四度「辺野古に新基地をつくらせない」沖縄県民の揺るがぬ意思が示された。この結果を黙殺し、辺野古新基地に固執し強行する姿勢を崩さない日本政府に強く抗議する。

政府によるオンライン資格確認義務化が推し進められている。コロナ禍で地域医療を支える医療機関に対して、方針に従わない場合は保険医療機関の“取り消し”もちらつかせる厚生労働省の強行姿勢に強く抗議する。大阪府保険医協会は「オンライン資格確認義務化の撤回」を求める会員署名を推進しているが、そこにはマイナンバーカードの普及やDX(デジタルトランスフォーメーション)政策の先陣を医療界に切らせる国の方針に不信を抱く声が多く寄せられている。われわれは「オンライン資格確認義務化撤回」の運動を大きくし、会員一人ひとりの医療機関を守る決意である。

新型コロナウイルス感染症による死者数は、大阪は全国一である。しかし、その要因について大阪府の為政者はこれまでの教訓を真摯に受け止めず、この2年以上、科学的根拠に基づかない場当たり的な対応に終始している。2009年に新型インフルエンザが大流行した後に厚生労働省の「新型インフルエンザ対策総括会議」が「報告書」を出している(2010年6月10日)。そこには感染症危機管理に関わる体制の強化の必要性を説き、「感染症対策に関わる人員体制や予算の充実なくして、抜本的な改善は実現不可能」と指摘している。大阪府はカジノ・IRに膨大なお金をつぎ込むのではなく、未だ手が付けられていない保健所と保健師を増やし、公衆衛生を担う職員の確保を一刻も早く進めるべきである。

国民の暮らしや医療現場の実態を無視した政策は必ず歪みが出てくる。来年は統一地方選挙があり、大阪府知事・大阪市長のダブル選挙もある。府民のいのちと健康を守ることを第一に掲げる政治を実現するための活動を強化していく。そして住民の医療・福祉を充実させる政治に転換させよう。

2022年9月24日
大阪府保険医協会
第61回定期総会


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