【理事会声明】医療現場のトラブルは未解決のまま「2024年12月2日に現行保険証を廃止」閣議決定に抗議する

報道関係各社御中
大阪府保険医協会は「1年後の保険証廃止」閣議決定に対し下記の理事会声明を発表しました。

医療現場のトラブルは未解決のまま
「2024年12月2日に現行保険証を廃止」閣議決定に抗議する

政府は12月22日、現行の健康保険証を2024年12月2日に廃止する閣議決定をした。保険証の廃止は「マイナンバー法等一部改正法」成立によって6月に決まってはいたが、岸田首相は紐づけ誤りなどを調査するマイナンバー情報総点検の11月末の最終報告を受けて保険証廃止時期の延期を判断するとしていた。にもかかわらず、国民の不安は払拭されたのか、国権の最高機関である国会で総点検最終報告を受けての議論さえもすることなく、具体的な廃止日を閣議決定で決めてしまった。

しかし、マイナ保険証によるトラブルは医療現場で現在も続いている。大阪府保険医協会が行った「10月以降のマイナ保険証トラブル調査」では、10月1日以降に「資格情報の無効」「名前・住所の間違い」「負担割合の齟齬」などのトラブルがあったと回答した医療機関は6割におよび、未だに根本的な問題は解決されていない。

トラブルが発覚するたびに場当たり的な対策が示され、来年12月からの資格確認方法は、現行の保険証が1年間経過措置で有効となるため、5種類が併存することになる。次から次へと資格確認方法を打ち出し、新たな文書の発行の費用と手間をかけるくらいなら、現行の健康保険証を残せば済む話である。

実際、当会のアンケートでは、現行の健康保険証が廃止されれば「受付業務に忙殺される」との理由から、「保険証は併存(存続)すべき」との声が圧倒的に多く、保険証があり、併用できているから混乱も最小限にとどまっている状況だ。また、直近の毎日新聞の世論調査では、保険証の廃止に「反対」は57%(賛成29%)、朝日新聞も「反対」55%(賛成38%)と半数を超えている。さらに読売新聞の世論調査の「マイナンバーカードの不安は解消されると思うか」との質問には、76%もの高い率の人が「思わない」と回答している。政府がいくら「不安払拭」を声高に発言しても、医療現場だけでなく国民の不安・不信も払拭されていないことを明確に示している。

病気やケガの時にすべての国民が安心して医療が受けられるようにするためには、すべての国民に遅滞なく健康保険証を発行・交付することが必要不可欠である。現行の健康保険証を廃止し、「マイナ保険証」に一本化してしまえば、申請の漏れや遅れ、行政手続き上のタイムラグ、医療現場でのマイナトラブルなど様々な要因によって「無保険の状態」を作りだしてしまうことは避けられず、国民皆保険制度が根底から崩れてしまう。

このような状況で現行の健康保険証の廃止を強行することは言語道断であり、強く抗議するとともに、国民の受療権を保障するため、改めて現行の健康保険証の存続を強く求める。

2023年12月23日 大阪府保険医協会 第6回理事会

お問合せ/大阪府保険医協会 大阪市浪速区幸町1-2-33 
電話06-6568-7721(担当=坂元・和田)

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