(理事長談話)「大阪市廃止」否決の住民投票の結果を受けて

大阪府保険医協会 高本理事長は下記の談話を発表しました。

「大阪市廃止」否決の住民投票の結果を受けて

大阪市を廃止して4つの特別区を設置することの賛否を問う住民投票は、反対が賛成を1万7千票上回り、大阪市廃止案は再度否決されました。一夜明け、「よかった!」「ほっとした」「ご苦労さんでした」などの声を多くの患者から頂きました。

今回の取り組みは、一向に終息しないコロナ禍において、国民の医療・社会保障の向上を目指す大阪府保険医協会の立場が問われる一歩も引けない歴史的な闘いでした。気を緩めることなく頑張り切り、「大阪市廃止反対」の民意が多数となり本当に良かったと思います。

私達は特別区制度、いわゆる「大阪都」構想の問題点を明らかにして「大阪市廃止反対」を会内外に呼びかけました。連日の宣伝や対話でIR・カジノ頼みの「都」構想の夢物語が会員や患者、多くの市民に伝わり、大阪市を存続させることにつながりました。また、特別区制度は大阪市だけの問題ではないことの理解も広がり、幅広く多彩な「大阪市廃止反対」の取り組みとなりました。ご協力いただいた全ての会員の皆様、職員・家族の皆様にあらためて感謝申し上げます。

 

この10年あまり、「大阪都」構想実現を唯一の目的とする維新政治が進められてきましたが、いつわりの「二重行政ありき」論で、大阪市立住吉市民病院や大阪府立公衆衛生研究所など市民・府民にとって必要な施策が削られてきました。また松井市長は、二重行政のムダをなくすため、大阪府に大阪市があること自体が二重行政であると強弁するだけで、何が無駄なのかは最後まで示せませんでした。また、特別区になれば「住民サービスはさらに向上する」と主張するも、特別区になって自主財源が減らされる中でどう充実させるのかの説明はありませんでした。

今回の住民投票も前回同様に、大阪市存続・廃止を巡って、「賛成派」「反対派」と大阪市民に二者択一を迫る不幸なものでしたが、多くの市民が131年の歴史ある大阪市を本当になくしていいのか真剣に考えて投票し、大阪市をこのまま残すという良識ある決断を下しました。

松井市長と維新の会は、この結果を重く受け止めて今後の府・市政にあたるべきです。投票結果が出た直後の記者会見で、松井氏は政界を引退する考えを示しました。今後任期を全うするというのであれば、政令市である大阪市長に相応しい役割を果たすべきです。すなわち新型コロナ対策として大阪市各24区へのPCR検査センターの設置、保健所の機能強化・増設などの緊急対策や、医療費助成制度の拡充や福祉など住民サービスの充実、南海トラフ地震や台風災害対策などが求められていることを強調したい。大阪府保険医協会は安心して暮らせる大阪にするために医療者として全力を尽くすことを、大阪市廃止否決の住民投票の結果を受けて、決意を新たにしたいと思います。

2020年11月2日
大阪府保険医協会
理事長 高本 英司


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