報道機関 各位
大阪府保険医協会は支払基金・国保連の再審査について以下の声明を発表しました。
面談による再審査請求の継続を求める理事会声明
2021年2月25日
大阪府保険医協会第10回理事会
大阪府支払基金審査委員会と大阪府国保連合会審査委員会は、医療機関からの面談による再審査請求について、2021年4月より原則廃止する事務連絡(令和3年2月4日)を発出した。
審査支払機関の在り方が国で議論される中、全国的な統一に向かう考えが示され、これを受けて、再審査の審査方式について、支払基金と国保連合会の間で検討を行い、全国と同様に書面を基調とする審査を実施することとされた。
大阪における保険医運動は1951年に府医「減点処理実施要項」にて事実上の「当月内再審査」を実現した。「当月内再審査」とは一次審査での「査定・減点」に対して、審査当月中に異議申請をすれば当月末に面談による「再審査」が行われるというものである。また審査委員会の民主化が必要として、支払基金は1955年、国保連合会は1970年に療養担当者側審査委員の代議員会の選挙による公選制を実現させた。
協会の当時の役員で審査委員であった先生は「患者の立場で診療している先生方の主治医権を守る必要がある」として、大阪の審査委員会は全国に先駆けて民主的運営を心掛けてきた。
患者のための医療を守る立場に立ち医師の裁量権を守るひとつとして、面談による再審査請求は重要である。「当月内再審査」は1992年に大阪だけのシステムだから存続できないとの理由で廃止されたが、再審査請求における面談方式は残った。
「面談は審査委員と主治医が意見交換できる大切な場」、「書面による減点通知の内容の意味が伝わらないことが多く面談ではよくわかり有意義」「新規開業当初、面談することで保険診療とは何かを審査委員に教えてもらった。」など面談による再審査請求は高く評価されている。
これを廃止することは、医療の統制を排して医師の裁量権を守ってきた歴史に逆行することとなる。大阪府保険医協会は、保険医の権利を侵害する措置に明確に反対し、主治医が納得できる審査制度の充実のため、面談による再審査請求の継続を求める。