(理事長談話)求められる国会議員の最優先責務は医療・社会保障の充実ではないか

-参議院選挙を終えて-

今回の参議院選挙に臨む国民の関心事についての調査報道を見ると、選挙前のJNN世論調査では、「年金や医療など社会保障」が64%、「少子高齢化や子育て対策」が54%を占めた。

また、共同通信世論調査では、「憲法改定」は反対50.1%、賛成35%、「10月からの消費増税」は反対51.1%、賛成44.7%という頷ける数字が示された。

選挙直後の朝日新聞調査では、首相に一番力を入れてほしい政策は「年金などの社会保障」38%、「憲法改正」3%という結果であった。

これらの調査から、一貫して社会保障拡充、消費税10%NO、改憲反対が国民の多数の声であると確認できた。しかし選挙前にはこの点についての新聞や報道局の扱いは小さく、明らかに争点化・焦点化を避けた印象があった。

NHKに顕著であった争点隠しの報道姿勢、新聞離れとSNSを通じた玉石混交の情報、吉本興業関連の話題で占拠されたテレビなど、関心事から遠ざけられた国民の投票姿勢が正直に反映された結果として、今回の参議院選挙の投票率は20歳未満で31%、全体では48.8%という戦後2番目の低さとなった。

当選議員に社会保障充実の公約実現を迫る

大手マスコミは選挙結果について、政権与党に代わる受け皿がない、野党はバラバラという安倍首相の批判を真実のように伝えているが、本当にそうだろうか。たった6年前に産声を上げた市民と野党共同の統一候補が、政権与党と闘った1人区で、2議席から10議席へと躍進したのは、国民の期待の反映以外の何物でもない。

「市民と野党の共闘」が合意した13項目の一致点を軸に取り組みの発展が見られた。今後さらに市民が育てた野党統一候補が全国に波及していく流れを加速するべきと考えている。1人区の画期的前進と自公維の3分の2割れは改憲発議のための議席を失ったという点で大きな意義を持つものである。

署名などを通して患者と対話

では大阪府保険医協会はどう対処したのか。社会保障、消費税、憲法9条については日頃から患者・国民の願いに沿いながら特に力を割いてきた分野である。

この間、協会は「みんなでストップ!患者負担増」署名を会員にお願いし、昨年9月より5カ月にわたって多くの院所に協力していただいた。

その後、消費税は公約であった医療・社会保障改善には使われず大企業・大金持ちの減税に浪費されてきたことを訴え、3月から「消費税10%ストップ!」署名に取り組んだ。また、選挙を控え候補者アンケートも実施した。

この取り組みの中で患者・スタッフとの対話が前進し、理解が深まった院所が多く見られたが、選挙を通して地域の世論を決定的に変えるまでには至らなかった。今後も地道にオピニオンリーダーとしての待合室からの役割を強化していく必要がある。

保険医の生活 医療の充実のために協会は尽力する

言わずもがな協会活動の軸足は開業医の経営の安定化、保険医の生活の安心、患者・国民の医療・社会保障の充実の実現にある。他方政権は医療・介護・社会保障費を削減することを至上命題として「骨太の方針」を今秋期から具体化しようとしている。

来春の診療報酬改定に合わせ地域医療構想による病床削減、紹介状なしの患者の追加料金の対象病院の拡大、キムリアなどの高薬価製剤による医療費圧迫と風邪薬・湿布・漢方などの保険外しの拡大、「オンライン診療」拡大、後期高齢者2割負担導入などの改悪が狙われている。

また、介護保険改定では「ケアプラン」作成費用の自己負担化、要介護2・3 の介護保険外しなどの患者負担が押し付けられようとしている。

早速行動を開始しなければならない。来春の診療報酬改定に対しては、2002年からの実質改定率がマイナス10.5%に上ることから、診療報酬10%アップを目指して、あらゆる政党の国会議員との懇談を開始し、参議院選挙時の医療・社会保障充実の公約実現を迫ることが重要である。

会員の皆さんのご理解ご協力の下、医療機関並びに患者が安心できる医療・社会保障環境づくりのためさらに努力したい。ご支援よろしくお願いします。


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