9桁の電算コード入力で困惑する医療現場【電子レセ請求におけるレセ記載要領コード化に関するアンケート結果報告】
今年4月に診療報酬改定が行われ、電子レセプト請求の場合、「レセプト記載要領の電算コード」が1700項目追加され、外来診療の項目にも多く導入されました。電算コード適用の本格化は10月診療分からとなっており、現在多くの会員医療機関から保険医協会に混乱している声が寄せられています。今回のコード化は重複した内容にもかかわらず、それぞれの規定別にコード入力しないといけないなど、事務作業量は増えています。先日行われた全国保険医団体連合会との厚労省交渉では「事務作業の効率化になると考えている」といった現場を理解しない回答でした。そこで、会員医療機関向けに保険医協会は「電子レセ請求におけるレセ記載要領コード化」に関するアンケートを実施し、447件の回答を得ましたので、結果を紹介します(11月5日時点)。
「事務作業が煩雑に」コロナ禍でなぜ
レセ記載要領コード化によって請求事務の作業時間の増減についての質問では、「増えた」と答えた医療機関が342件(76.5%)と大多数を占めました。一方、「減った」と答えた医療機関はありませんでした(グラフ)。
コードの入力方法についての問いでは、コードすべてを手入力する医療機関が154件(34.5%)、点数を選択し摘要欄にマウスでプルダウンしてコードを手入力する医療機関が38件(8.5%)と、手入力する医療機関が43%もいることが分かりました。「その他」と回答した51件のうち手入力と回答した14件を合わせると全回答数の半数近くが「コードの手入力」をしている実態が浮かび上がりました。
コード化で煩雑、不必要と感じる項目では、在宅医療が最多の166件、検査が136件、画像診断129件、投薬102件と続きました。
寄せられた声には、「請求事務が煩雑になって困る」「複雑化はもう限界です。日常診療が出来ません」「医療従事者への嫌がらせとしか思えない」「コロナ禍での強行はやめてほしい」「手作業が増え電子カルテの意味をなさない」など、厚労省の主旨「現場の負担軽減」に反し、現場の逼迫した現状が浮き彫りとなりました。
現在、保険医協会は「10月診療分『レセ記載複雑化(コード化)』凍結を求める院長署名」を集めています。11月19日に厚労省交渉で今回のアンケート結果とともに提出する予定です。是非、署名のご協力をお願い申し上げます。
院長署名にご協力いただける場合は、TEL06(6568)7721で保険医協会までご連絡いただけますと、用紙をFAXにてご送付いたしますので、必要事項を記入のうえご返送をお願い申し上げます。