報道関係各社御中
大阪府保険医協会は5月21日、「患者負担3割以上は法律違反!財務省の医療保険負担率“自動引き上げ”提案に強く抗議する」理事会声明を発表しました。
患者負担3割以上は法律違反!
財務省の医療保険負担率“自動引き上げ”提案に強く抗議する
2002年、国民の反対意見を押し切って、健康保険の患者負担3割に引き上げを強行採決した際、「将来にわたって7割の給付を維持する」と国民に“約束”した健保法改正法附則も採択された。この間、患者負担を増やす法律がいろいろ出されたが、「3割負担」以上の負担は法律で禁止されているために、厚労省は「保険給付外し」の法案を提出してきた。
4月25日の財政制度等審議会財政制度分科会において、財務省はこの「3割負担」に踏み込み、医療費が伸びた場合、自動的に3割以上に負担率を引き上げる「仕組み」(医療保険の給付率を自動的に調整する仕組み)の導入を提案した。同様の提案は、すでに自民党の「財政再建に関する特命委員会 財政構造のあり方検討小委員会 中間報告書 ~次世代との約束~」(3月29日)でなされている。
現在でも高い国民健康保険料が払えず、保険証を取り上げられ、医療が受けられない方がいる。また収入のない高齢者の医療と介護の費用負担も、この間の制度改悪で限界にきている。
今回提案されている “自動的”に窓口負担率の引き上げる「仕組み」は、さらなる患者・国民の命と健康を脅かすものである。
この「仕組み」については与党や厚労省などからも異論・慎重論が相次いでいる。
厚労省は、「患者負担が過大になる」、「インフルエンザの流行や新薬の導入などの一時的要因で変動する医療費や、景気の変動等に応じ、頻繁に患者負担が変わり、将来の医療に対する国民の安心を損ねる」と指摘。また横倉日医会長も5月1日の記者会見で「財務省は無責任」と指弾している。
われわれは、国民の命と健康を守る医師として、以下のことを強く要請する。
「将来にわたって7割の給付を維持する」と国民に“約束”した健保法改正法附則を完全に無視した財務省の今回の「仕組み」の提案に強く抗議するとともに、この「仕組み」の提案の撤回を強く求める。
2018年5月21日 大阪府保険医協会
今回の声明についてのお問合せなどは下記までお願いいたします(担当事務局/田川) 大阪府保険医協会 大阪市浪速区幸町1-2-33 電話 06-6568-7721/FAX 06-6568-2389