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大阪府保険医協会は、1月12日の理事会で、12月23日に行われた中央社会保険医療協議会(中医協)総会でのオンライン資格確認の導入義務化に関する経過措置を含む答申を受けて、以下の理事会声明を発表しました。
12月23日の中医協答申に断固抗議
オンライン資格確認導入義務化の撤回を
2022年12月23日、中医協総会が開かれ、オンライン資格確認導入義務化に関する8月10日の中医協答申書・附帯意見に基づく経過措置が答申された。補助金拡充措置の支給要件の一つである「12月末までのカードリーダー申込」という期限が迫る中での遅すぎる議論であったことに改めて抗議する。経過措置の内容がギリギリまで示されなかったことにより、困難な事情を抱えつつもしょうがなく導入に向けて動き出した医療機関や閉院に追
い込まれた医療機関があることを政府・厚労省はどう考えているのか。療養担当規則を改定したことにより、脅しをかけて導入または閉院へ誘導したことに他ならない。
また、経過措置は設けられたものの、早期の導入を医療機関に強いる姿勢は崩しておらず、経過措置の内容も物理的な事由に限定されている。オンライン資格確認システムは未だ不十分であり、導入医療機関の4割でトラブルや不具合を経験しているほか、医療機関を狙ったサイバー攻撃への脅威などもあり、医療現場はデジタル化に対し不安や懸念を抱いている。オンライン資格確認を義務化するのであれば、こうした医療現場の不安の解消
は必須条件である。
この間の保団連調査でも明らかなように、カードリーダーを申し込んだ医療機関の大多数は、必要性を感じていないが「義務化なので仕方なく」、「補助金の申請に間に合わない」など、消極的な理由で申し込んでいる。当会の会員アンケートでも7割超の会員がオンライン資格確認義務化と保険証の廃止に反対しており、医療現場はオンライン資格確認義務化を求めていないのが実態である。
更には、オンライン資格確認の導入・普及の観点から、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の23年4月から12月までの時限措置として、マイナ保険証での受診については点数を据え置きする一方で、紙の保険証受診の患者に対する初診時の加算増点と再診時加算の新設が了承された。これは保険証で受診する患者に対する懲罰的な点数設定としか言いようがなく、国民の受療権を阻害するものである。
今回の経過措置等については、医療現場の実態や心情を十分に反映したものは言い難く、国民の理解も得られるものではない。医療現場と患者・国民の双方が望まないオンライン資格確認義務化の撤回を強く求める。今後も我々はオン資義務化、保険証廃止の撤回を求めて引き続き粘り強く運動を進めていく。
2023年1月12日
大阪府保険医協会 第7回理事会
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