カテゴリー:作家寄席集め
-
作家寄席集め 第14回 田辺 聖子/恩田雅和
今年6月、91歳の長寿を全うした田辺聖子は、落語台本作家としての一面を持ち合わせていました。
「実をいうと私は、私の書く短篇のあるものを落語小説とひそかに呼び、これを大阪弁で咄してもらうことを夢みている」(『ほととぎすを待ちなが…
-
作家寄席集め 第13回 田村 隆一/恩田雅和
終戦後まもなく月刊詩誌「荒地」の創設に参加した田村隆一(’23~’98)は、戦後最大の詩人の一人といわれています。
昭和31年刊行の田村の処女詩集『四千の日と夜』に収められた「十月の詩」には、終戦直後の秋、殊に十月の心象風景が印象…
-
作家寄席集め 第12回 秋田 實/恩田雅和
上方漫才の父と謳われた漫才作者・秋田實('05~'77)は、生涯に7千本を超える漫才台本を書いたとされています。
秋田が漫才の歴史や自身のことを振り返った著書(『大阪の大衆演芸』『大阪の芸能』昭和48年毎日放送刊所収、『私は漫才作者…
-
作家寄席集め 第11回 池波正太郎/恩田雅和
今なお根強い人気を誇る時代劇ドラマの原作者、池波正太郎(1923~1990)の代表作は、『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズです。これらの作品は、テレビドラマのほか映画化、舞台化もされ、主人公役はその時々のス…
-
作家寄席集め 第10回 泉鏡花/恩田雅和
「高野聖」をはじめ幻想文学ジャンルに名を残す一方、「婦系図」など新派劇に原作を多く提供した泉鏡花(1873~1939)は、明治から昭和の初期まで幅広く読者に親しまれました。
その鏡花はデビューまもない明治27年からの3年間であわせて5…
-
作家寄席集め 第9回 山本周五郎/恩田雅和
人情もの時代小説の第一人者、山本周五郎(1903~1967)の文壇デビュー作は、『文藝春秋』の大正15年4月に発表された「須磨寺附近」です。
山梨県に生まれ、東京の質店に徒弟で住み込み、戦後すぐから横浜で作家生活の大半を送った周五郎…
-
作家寄席集め 第8回 斎藤緑雨/恩田雅和
「明治二十三年八月二十二日」の日付を入れ、「正直正太夫死す」と読売新聞に自身の別号による死亡広告を出したのは、作家の斎藤緑雨(1868~1904)でした。時に22歳、その別号で「小説八宗」など発表し、文壇進出まもない頃でした。
この一…
-
作家寄席集め 第7回 腹話術/恩田雅和
落語の専用小屋である天満天神繁昌亭の昼席では、落語以外の芸(色物)を毎日必ず2席入れます。
色物といいますと、漫才、浪曲、マジック、太神楽、紙切りなどさまざまにありますが、これらはみな落語の間に挟まって、要はお客さんにより落語に集中して…
-
作家寄席集め 第6回 志賀直哉/恩田雅和
小説の神様と言われた志賀直哉(1883~1971)は、学習院高等科に在籍していた頃、義太夫と落語に熱中していました。志賀の明治37年元日の日記に、「久本に吉花の太十と昇之助の野崎とを聞く」とあり、下谷にあった寄席小屋に行って野沢吉花と豊…
-
作家寄席集め 第5回 南方熊楠/恩田雅和
粘菌類の生物研究をはじめ民俗学、人類学など幅広い分野で業績を残した世界的な博物学者の南方熊楠(1867~1941)は、若い頃寄席に通い、落語にも通暁していました。
[caption id="attachment_5853" ali…
ページ上部へ戻る
Copyright © 大阪府保険医協会 All rights reserved.