個別指導から保険医の人権を守る – 医科・歯科共同で帯同弁護団を結成

 保険医協会は5月に歯科保険医協会と共同で「個別指導帯同弁護士団結成準備会」を設置し、結成に向けて申し合わせを重ねてきました。このたび準備が整い、10月3日にマイドームおおさかにて「個別指導帯同弁護士団」結成式を行いました。医科役員11人、歯科役員7人、事務局が参加しました。


弁護団

個別指導帯同弁護団の結成式で挨拶する
中野明弘副理事長(右から2人目)

 結成式にあたって挨拶に立った中野明弘保険医協会副理事長は「わかりにくい診療報酬改定を経るたびにカルテ記載で求められることが増えている」と指摘。その上で中野氏は「患者の話をよく聞き、診察と指導を行っているがカルテ記載が十分でないことを理由に個別指導では厳しく指摘される。帯同を経験された西晃弁護士から指摘されて、保険医の人権が守られていないことにはじめて気づいた。不正請求を擁護するのではなく、医師・歯科医師の人権を守る弁護団を結成したいという思いでこの日まで準備をしてきた」と結成の経緯と意義を語りました。

選定理由に多い「元従業員の通報」「患者の指摘」

 続いて、吉田裕志歯科保険医協会副理事長から「大阪における個別指導の概要」と題して、講演がありました。

 吉田氏は、個別指導の2014年の個別指導、監査の状況及び2015年度の指導計画の概要を説明。そして国が示す個別指導の選定理由の11項目を説明するなかでもっとも頻度が高いのは、元従業員からの請求不備などの通報や患者が医療費通知を見て診療日数の違いを指摘によるものだと、強調しました。そして「国は個別指導を“保険診療の質的向上と適正化を図る”ことを目的にしているが、実際は医療費を減らすため、萎縮診療させる意図をもってしている」と話しました。

 また、指導結果は「経過観察」が多く、医療機関はいつまでもチェックすると言う姿勢が求められ、さらに持参物が多く負担がかかっていると指摘。「個別指導にいつでも対応できるためにも初心にかえってカルテ記載を充実していくことが大切だ」と締めくくりました。

 講演終了後、保険医協会が作成して、新規開業シリーズ講習会で使用している「模擬指導のDVD」を上映しました。

 また、中野氏から個別指導帯同にあたっての「申し合わせ事項」が読み上げられ、保険医協会・歯科保険医協会と弁護士団で承認され、結成を確認しました。

 最後に弁護士団からは医科・歯科両協会顧問弁護士の西晃氏より挨拶があり、「年々指導が増え、監査に移行する事例や中断を繰り返す事例が増えてきたと実感している。これらに対応するため弁護士5人が力を合わせて対応していきたい。弁護士それぞれの経験の違いはあるが、優秀で熱意と誠意があり、保険医の先生方の期待に応えていく」と力強く決意を語りました。続いて、所用で欠席した遠地靖志氏を除く、楠晋一氏、宮本亜紀氏、奥井久美子氏の3人の弁護士が挨拶しました。


個別指導帯同及び指導当日までの費用について

● 基本費用5万円(消費税別)には下記のことが含まれます。

  1. 個別指導の事前に、弁護士、会員(被指導者)、担当事務局が集まり、打ち合わせ
  2. 個別指導当日の帯同
  3. 個別指導当日または事後に弁護士、会員(被指導者)、担当事務局とで指導内容の総評

※上記以外に別途発生する意見書や照会文の作成などの、費用は別途発生する場合があります


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