インフルエンザワクチンに関する緊急アンケート結果速報
- 2018/10/10
- 調査
「目途がたたない」「納入量少ない」3割超
不安定な入荷状況が伺える
今期のインフルエンザワクチン接種について、厚労省はワクチン供給については「例年並みの供給量を確保している」とし、「10月当初は例年並みの約1千万本の供給を見込んでいる」としています。
しかし、会員の医療機関からすでに卸から「10月中旬まで入荷はできない」「10月は50%くらいの入荷になる」との話が寄せられています。また、「昨年のワクチン不足時でも9月には入荷されていたが、今年は10月に入っても目途がたっていない」「入荷数が少なかった去年の実績で入荷されても、希望する方に接種できなかった昨年の二の舞」などの実情も寄せられています。
そこで、大阪府保険医協会では今期のインフルエンザワクチンの入荷状況などを調べるために緊急アンケートを会員医療機関にFAX送信しました(10/1~10/5)。10/4までに寄せられた550件を集約しました。大阪府保険医協会はこの結果をもとに厚労省に対して実態把握と流通改善などを求める要望書を提出する予定です。
【お問い合わせ】大阪府保険医協会 TEL 06-6568-7721 (担当・田川)
今期のインフルエンザワクチン接種実施時期について(問3)
- 10月1日から 146(26.5%)
- 10月中旬から 234(42.5%)
- 10月下旬から 90(16.4%)
- 11月以降から 56(10.2%)
- 未定 23(4.2%)
- NA 1(0.2%)
昨年の接種開始と比べて(問4)
- 遅い 54(9.8%) ※主な要因は以下の通り
卸から連絡が来ない/納入が遅い/ワクチンが入荷できない/入荷の見通しがたたない/卸に聞いてもわからないと/入荷未定のため/一部は入荷できるが目途がたたない/ほぼ同じであるが、ワクチンの入庫が希望通りにはいかない現状
- 同じ 423(76.9%) ※以下の意見も少なくない
開始はしたが、その後の目途はたたず/とりあえず来たが、先の目途たたず/ワクチン入荷が困難なため来院されても注射できないことあり/1日に10本入荷したが、その後は未定/最初の分は入荷できたが、残りは目途が立たない - 早い 46(8.4%) ※「患者がでた」「学級閉鎖があった」3件あり。
- 他・NA 27(4.9%)
ワクチンの入荷について(※重複回答あり)(問5)
- 既に入荷 179(32.5%)
※「すでに入荷」の内61件(34%)から「入荷量少ない」「今後は不明」と回答 - 予定通り入荷 “予定”も含む 240(43.6%)
※「予定通り」の内35件(14.6%)から「入荷量少ない」「目途がたたない」と回答。 - 目途がたたない 146(26.5%)
- 他 32
3割を超える医療機関が「目途がたたない」「納入量が少ない」
回答者の26.5%が「めどがたたない」と回答。これに「すでに入荷」「予定通り」の方で「目途がたたない」を選択(もしくはコメントで今後は目途がたたない趣旨を記入)していないが、「納入量が少ない」(下記問6)を選択している38件を加えると184件(33.5%)、3割超となり不安定な入荷状況が伺える。
(昨年と比べて)納入量(問6)
- 少ない 87(15.8%)
- 同じ 355(64.5%)
- 多い 29(5.3%)
- 他・NA 79(14.4%)
「(納入量が)少なかった昨年を基準にしてもらっては困る」
昨年と比べて「同じ」との回答者が多数を占めたが、「少なくなった昨年と同じ量で 一昨年より少ない」「昨年と同数と言われ困っている」「昨年と同じだが、一昨年の30%減」「昨年と同じ制限あり」「昨年が例年の60%」など、昨年自身ワクチン供給量が不安定で、それを基本としている状況に「不満」の声が少なくない。接種希望者に対応できないなどの意見も寄せられている。
(昨年と比べて)納入価格(問7)
- 高い 17(3.1%)
- 同じ 406(73.8%)
- 安い 2(0.4%)
- 他・NA 125(22.7%)
納入価格は昨年と比べて「同じ」との回答者が多数を占めた。価格の記入は193件。医療機関によって1mL・1バイアル、1mL・2バイアル、0.5mLなどまちまちだが、1mL・1バイアルで換算すると概ね2,700円(税抜)が92件(47.6%)と一番多かった。次いで3,000円が26件(13.5%)。2,700円~3,000円程度に集中している。
主な意見
- 必要な時に納入されないとあきらめる方がいて、結果的に接種時期を逃し余ってしまう印象。
- 市が1日からと公報しているのに1日に入荷できていない。
- 市は10月1日からというが、入荷数が少なく予約の準備できない。
- 昨年同様に不安です。
- 毎年振り回される。患者さんに迷惑がかかる。
- ワクチンの総入庫量が、昨年と同量と制限されるので、新規の団体希望があった場合やりくりが厳しい。
- 入荷の数、日程が定まらず、予約(特に団体)が取りにくい。
- 問い合わせが多数きており、納入できるか早く知りたい。正直困っています。
- 患者が増えると摂取量も増えるとおもいますが、昨年と同量しか入荷出来ないので困っています。
- せめて一昨年の実績をもとにしてほしい。明らかに不足して困った昨年を基準にと言われても。一体何を考えているのか。話にならない。
- 昨年の供給が11月下旬から多くなったため、必要時に接種できなかった。また、その時の90%と言われて対応に困っている。
- 外来の病院などで大量に注文し時期が過ぎれば大量に返却している所があるから、出荷調整をしているのだろうけど、老人ホーム入所者と職員にしか接種しないので、大量の返品などしたことがない。診療所まで影響があるのは困る。注文した実績よりも返品した実績による優先をつけてほしい。また老人ホームなどは、優先してくれないと困る。自治体の補助と入荷とがあっていない。
- 毎年インフルエンザ予防接種希望される地域の方々が多いのにも関わらず今回ほど予定が組めない年はない。納入時期がわからないことが医療機関の責任になることも合点がいかない。
- なぜ入荷状況見通しについて卸もメーカーも前もって説明できないのでしょうか?おそらく昨年のこともあり箝口令をしかれているような気がする。
- 毎年ワクチン不足で悩まされています。根本的対策をしてほしい。開業年数がまだ短いクリニックでは毎年患者数はふえるので、一律、前年実績分しか納入できなければ打てない人が増加する。大病院が打たなくなって地域で打ってくださいとなっている状況です。クリニックのワクチン不足は深刻です。
- 接種希望者からのといあわせがすでにあるが、納入数がその都度でしかわからず予約が取りにくく困っている。
- 3~4年前は10月~11月でワクチンが足りないということはなかった。だんだん割り当てワクチン本数がへらされている。必要な時に必要なだけ供給してほしい。昔は100バイアル使っていたが、だんだん減らされて70バイアルしか割り当てがないと言われている。
- 新規オープン2年目です。前年度の実績と同じなのでクリニックの…にその年の入荷が足りません。増やしてほしいといいましたがパイがないので…とのこと。新規への配慮と増やしてほしい。