続・審査の目-こんな時とれる?診察料-検査結果返却時や家族の来院時
- 2013/11/5
- 私たちの考え
「審査の目」を終わらせて頂き、数ヶ月がたちましたが、このたび心機一転、審査、指導、監査に関する保険診療に関する内容及び介護保険などの一口の話題を取り上げていくこととします。
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■診療所からの問い合わせで「患者が検査結果のみを聞きに来たが、診察料を算定してよいか」という質問がよく寄せられます。
■通知では、初診又は再診が行われた同一日であるか否かに関わらず、当該初診又は再診に附随する一連の行為とみなされるため「初診時又は再診時に行った検査、画像診断の結果のみを聞きに来た場合」は、診察料を算定できないとしています。
■はたして、診療所では検査結果のみを聞きに来るだけで終わることがあるのでしょうか。健診結果を文書で渡して終わりということはあるかもしれません。しかし、保険診療における検査は、何か病気を疑う場合や治療効果の判定のために行っているため、結果のみを伝えて終わることは通常は考えられません。そもそも患者の主訴から病気が疑われる場合、たとえ検査結果に異常が現れなくても、結果の説明とともに今後の生活上の留意点や経過観察のことなど適切なアドバイスをすることが通例であるため、当然診察行為が行われると考えられます。また、治療効果の判定においては、当然のことながら、診察と経過説明をすることが基本となるため、当然診療行為が伴います。したがって、この場合は診察料を算定するのは、可能と言う判断となります。
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■この他、診察料関係で質問が寄せられるのが、「家族が来院して、患者の状況を聞いて診察した場合の再診料などは算定できるか」という質問です。「投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても、再診料は算定できる」とされています。
■同様に家族受診に対して、外来管理加算や特定疾患療養管理料は算定できるでしょうか。外来管理加算は、「やむをえない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合、再診料を算定できるが、外来管理加算は算定できない」とされています。
■一方、特定疾患療養管理料は、特定疾患を主病とする患者に対して「診察に基づき計画的な診療計画を立てている場合であって、必要やむを得ない場合に、看護に当たっている家族等を通して療養上の管理を行ったときにおいても、特定疾患療養管理料を算定できる」とされており、取り漏れがないようにしたいものです。しかし、両者ともにカルテにはそれぞれの要件に定められた事項を記載しておくことが必須となりますのでご注意下さい。