(理事長談話)戦後最悪の政治選択である「安保関連法」の強行採決に怒りをもって断固抗議する
- 2015/9/18
- 私たちの考え
報道関係各社御中
大阪府保険医協会は、高本英司理事長による以下の談話を発表しました。
戦後最悪の政治選択である「安保関連法」の強行採決に怒りをもって断固抗議する
戦後最悪の政治選択である安保関連法強行採決に怒りをもって断固抗議する。今国会での成立に対して、反対は朝日新聞の調査で68%、産経新聞・FNNで59.9%、NHK調査でも賛成19%、反対45%であり国民の大多数は強行採決に反対であった。
しかし、2015年9月17日の参議院特別委員会で、自公両党による多数の横暴により、米国とともに戦争する恒久法を含む11の安保関連法が可決された。平和な世界を実現するための力となりうる我が国の憲法は、我が国の政府によって辱められた日となった。
国会審議を十分保障せず強引な強行採決を行ったのは、大雨の中でも日ごとに増す国民の反対の意思表示を恐れたからである。
戦後70年間、国家として殺し殺されることのなかった日本は、「積極的平和主義」の名の下に地球の裏側まで出かけていき、戦争する国となる道を選んだ。
5月から9月までの4カ月間の国会運営は、現憲法を遵守すべき自公国会議員や法制局官僚の立憲主義を否定する発言が日常化した常軌を逸したものであった。同時に国民の生命・財産が奪われる存立危機状態が集団的自衛権行使の根拠とされていたが、政府の恣意的判断でどうにでもなる存立危機事態の定義のあいまいさなど、重大な法的欠陥を指摘され、222回も国会審議がストップした。この法案に対して、安倍政権は真摯な論戦を回避し、自ら議会制民主主義を破壊する立場を取り続けた。強行採決された安保法の狙いは、日本人の生命と財産を守るのでは決してなく、軍産複合体の利益を守るために海外へ惜しみなく自衛隊員を派遣することにある。
生命を大切にする医師として、戦争することなど許して良いはずがない。二度と戦争の血で白衣を汚さない新たな決意で安保法に反対し続けよう。
立憲主義・議会制民主主義を破壊した安倍内閣に対して、新しい形の戦後最大の国民的運動が高揚している。この運動は元最高裁長官・判事、憲法学者、弁護士など法律家が立憲主義の大切さを世論に訴え、民主主義の危機を感じ取った国民が呼応する形で展開された広大な裾野を持つ運動である。
特にSEALDsに代表される若者・学生やママの会が立ちあがり、民主主義の危機感を共有し、民主主義の発展を予感させる運動が生まれている。
私たち医師も、防衛予算が聖域として増額されることに異議を唱え、医療・社会保障予算の増額を訴え、安心して暮らせる世の中作りに貢献することなど、憲法破壊の対案とする行動が求められているのではないだろうか。
2015年9月18日
大阪府保険医協会 理事長 高本英司