議会制民主主義を否定する「共謀罪」採決強行の暴挙に抗議する

議会制民主主義を否定する
「共謀罪」採決強行の暴挙に抗議する
「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正案(以下「共謀罪」法案)が、6月15日の参議院本会議で強行採決された。参議院法務委員会での法案審議中に委員長が「中間報告」で審議を一方的に打ち切り、本会議で採決するのは異常であり、国会の存在意義を否定するものである。政府・与党の議会制民主主義を否定する採決強行に強く抗議する。
 これまでの国会審議を通じて、この「共謀罪」法案が国民の内心を脅かし、すべての国民を監視対象とする可能性が極めて高いことが明確になっている。衆・参の法務委員会では、組織的犯罪集団に属さない「一般の人」とは「通常の社会生活を送る人」であるという曖昧な説明を繰り返しており、世論調査でも「説明が不十分」が圧倒的多数を占めている。また、国連人権理事会によって任命されたジョセフ・ケナタッチ特別報告者が「(「共謀罪」法案が)プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながる」との書簡を安倍首相に送ったが、政府はこの指摘を受けとめないばかりか菅官房長官が「内容は不適切で強く抗議」したという。さらに6月12日の国連人権理事会で、デービッド・ケイ国連特別報告者が日本政府によるメディアへの圧力を懸念する演説をし、報道の独立性を確保するために法改正すべきだと政府に要請したが、伊原駐ジュネーブ国際機関政府代表部大使が「わが国の説明や立場に正確な理解のないまま記述されている点があることは遺憾だ」と強弁している。国際組織犯罪防止(TOC)条約の締結には法案の成立が必要だといいながら、このような重大な指摘をまったく“無視”することは国際社会で許されることではない。
 国民の生命と健康を守ることを使命とする医師として、内心の自由を侵害する重大な欠陥法である「共謀罪」法に断固反対する。政府・与党に対して、立憲主義をないがしろにする国会運営を改め、同法を廃止することを強く求める。
2017年6月15日
大阪府保険医協会
理事長 高本 英司

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