国民の命と平和な暮らしを脅かす「安保法制(与党合意)」の撤回を求める

自由民主党総裁 安倍 晋三 殿
公明党代表  山口 那津男 殿

2015年3月20日
全国保険医団体連合会
非核平和部長 永瀬 勉

国民の命と平和な暮らしを脅かす「安保法制(与党合意)」の撤回を求める

■自公両党は3月20日、安保法制の方向性を示した共同文書「安全保障法制整備の具体的な方向性について」を示した。

■共同文書は、昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定を具体化するものであり、その法整備において、時の政権が「武力行使・新3要件」に基づく「新事態」に該当すると判断すれば、他国軍と一体となり自衛隊を全地球規模の軍事支援活動に動員するものである。

■共同文書では、「我が国が日本国憲法の下で平和国家として歩んできたことを踏まえ」つつ、「いかなる事態」においても「国民の命と平和な暮らしを守り抜く」と法整備の理由を述べるとともに、「武力攻撃に至らない侵害に対し、米軍等を防護するために自衛隊が武器を使用する」、「自衛隊が米軍を含め他国軍を支援する」、「これまで『日本国周辺』に限るとしていた地理的制限をなくす」、さらには、「国際社会の平和と安全のために活動する他国軍隊への支援のための恒久法の制定を行う」ことなどが盛り込まれている。
■戦後、70年間、日本国民は、戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた憲法9条の下で、不断の努力と平和外交を積み重ね、経済、外交、文化などあらゆる面で諸外国と信頼関係を築いてきた。

■安倍政権による、武器輸出解禁、集団的自衛権の行使容認、軍事ODA解禁、文官統制の見直しなど一連の軍事・外交政策の変更や、アジア・中東諸国と対立を煽る言動・外交姿勢は、戦後一貫して歩み続けてきた平和国家としての地位を突き崩しつつある。
今般の与党・共同文書に基づく安保法制の整備は、自衛隊を「軍隊」に変質させ、他国との戦争・軍事行動に参加し、紛争を助長するものであり、「国民の命と平和な暮らしを守り抜く」とはほど遠い結果を招くことになる。

■私たち医師・歯科医師は、憲法を守り戦争しない国・日本を維持すること、軍事偏重でなく、医療・社会保障を拡充させることこそが、「国民の命と平和な暮らしを守り抜く」道であると考える。集団的自衛権行使の閣議決定撤回とその具体化、与党・共同文書の撤回、安保法制の整備の断念を求める。


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