医療機関の経営安定と地域医療の改善を

「医療機関の経営安定と地域医療の改善を」大阪府保険医協会決議

大阪府保険医協会は2月6日、第122回評議員会・拡大役員会を開催し、以下の決議を採択しました。

決 議

■“6人に1人が貧困状態”今の日本の状況である。

 最新の政府統計(2012年)では相対的貧困率が16.1%、実に約6人に1人が貧困ライン以下で暮らしていることが明らかになった。子どもの貧困率はOECD加盟国34カ国で最悪の状態である。非正規雇用は2千万人を超え、若い世代の貧困だけでなく、「老後破産」「下流老人」という状況が広がり、生活保護基準以下で暮らす高齢者も急増し、あらゆる世代が貧困に陥る危険性を孕んでいる。
 こうしたなか、第190回通常国会が1月4日開会されたが、そこには国民の貧困状態を克服する政策の議論はなく、安倍首相の施政方針演説では、社会保障費の抑制、消費税増税、TPP推進など国民に負担を強いる内容と「改憲への意欲」ばかりが目立っている。

■政府は「骨太の方針2015」で示した国民負担を強いる社会保障政策を具体的に進める「改革行程表」を昨年12月16日に示し、この夏の参議院選挙後にさらなる患者負担増計画を打ち出す構えである。

 今年の診療報酬改定は、本体プラス0.49%、ネットでマイナス0.84%となっているが、薬価の「外枠」部分や、湿布の枚数制限などを加えると、実際はマイナス1.43%、実に1500億円のマイナスとなる。
 厚労省は社会保障費の来年度概算要求で、1兆円といわれる自然増額分に対し6700億円を要求したが、財務省が更なる圧縮を求めた結果、増額分は5000億円へと切り込まれ、削減分は診療報酬改定で補う形となっており、あらためて今回の大幅マイナス改定に強く抗議する。

■今日本の政治に求められることはなにか。300兆円を超えるといわれる大企業の内部留保を賃上げと雇用拡大につなげ、不用不急の公共事業や安保法のもとで進められる軍備拡大をやめ、安心と安定した社会を構築することである。今ほど医療・福祉が行きわたる社会の実現が求められるときはない。

■今全国で世代や信条を超え、安保法廃止での2000万人署名行動や立憲主義を問う行動が広がっている。保険医協会は憲法9条と25条にもとづき、国民が平和で安心して暮らせる社会を目指すとともに、医療機関の経営の安定と、地域医療の改善の取り組みをさらに強化し、社会保障の充実を求める運動を待合室から大いに訴えていく決意である。

2016年2月6日
第122回評議員会・拡大役員会


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