医療・福祉行き渡る社会の実現が強く望まれる
- 2016/1/1
- お知らせ
大阪府保険医協会理事長 高本 英司
新年明けましておめでとうございます。旧年中は協会の諸行事にご協力賜わり誠にありがとうございました。今年も会員、ご家族の皆さまにとって充実した良き年でありますように、役員一同、心からお祈り致しております。
さて今年は2年に一度の診療報酬改定があります。「アベノミクス」を政策の要に据えてきた安倍政権は、肝心の経済成長が思うように進展せず、国民の不満の高まりをそらす目的で、診療報酬改定年度を目前にして、医療費自然増の伸びをことさら高齢者や医療機関の所為にするキャンペーンを行っています。そして「税と社会保障の一体改革」の基本政策の下、診療報酬の“マイナス改定”を当然のようにマスコミに流しています。
大阪の医療・福祉の向上に貢献していると自負する私たちですが、経営の健全化、職員の生活水準の確保など医療を安定して提供するための原資である診療報酬本体(医師の技術料)の減額は、到底受け入れられません。また、マイナス改定作業が進行する中で、医師自らが診療報酬本体のアップを自主規制することは、技術的評価を自ら低めることに他なりません。
小泉・安倍政権以降、大企業は莫大な経常利益を上げ、内部留保をため込んでいますし、一部の投資家は株取引で大もうけをしています。しかし大部分の国民は非正規職員化やワーキングプアーの増加、消費税増税により生活の疲弊は顕著となっています。格差社会は社会保障を切り捨て、国民生活の不安を増大させることに直結しています。今ほど、「いつでも、どこでも、誰にでも」分け隔てなく医療・福祉が行き渡る社会の実現が望まれる時はないと思います。そのためにも患者さんの窓口負担の軽減などを待合室から大いに訴えていかねばなりません。
協会は、設立趣旨である院所の経営の健全化と、地域医療の改善の取り組みを強化し、政府、大阪府、各自治体に主張すべきことは主張していきます。
今年も皆さまからの大きなご支援を頂き、諸活動を精力的に進めて参りますので、何卒ご指導ご鞭撻よろしくお願いし、年頭のご挨拶と致します。