(1)深刻なデフレ下 増税耐えられない

藤井 聡 氏
社会工学者、京都大学大学院工学研究科教授、元第2次安倍内閣・内閣官房参与。
著書
『コンプライアンスが日本を潰す』(扶桑社、2012年)
『プライマリー・バランス亡国論』(扶桑社、2017年)

消費税10%引き上げの法律が2012年6月に成立して以降、安倍政権になって2度の増税時期延期がされてきましたが、安倍首相は2019 年10 月に消費税10%への増税を行うと表明しています。そこで、改めて消費税増税が与える影響などについて、数々のメディアなどで発言されている元内閣官房参与で京都大学大学院工学研究科教授の藤井聡氏に「消費税増税は中止するべき」とする根拠についてお話を伺いました。

【取材日=2月20 日】

深刻なデフレ下 増税耐えられない

―安倍首相は消費税増税をする理由として、日本の景気は良くなっていることと、それに伴い庶民の所得も上がっているからだと述べています。先生のご意見をお聞かせ下さい。

そもそも、既に国会で定めた法律で消費増税が決められていますし、政府における最高決定である「閣議決定」においても、今年の秋の増税は行われることとなっています。しかし〝増税予定がされている〟からといって、今の日本に経済的大ショックを与える増税をしなければいけない訳ではないのです。

そして、民主党政権時代の日本の日経平均株価は1万円を割り込んでいましたが、今は2万円を上回る水準にあります。これだけを見れば日本の景気は良くなっているような気がしますし、メディアや世論でもそういった論調が広がっています。

安倍首相も各種統計から日本の景気は良くなっていると発言しており、増税に踏み切る姿勢を見せています。しかし、最近明らかになった毎月勤労統計の不正調査問題によって、国民の所得のデータなど、安倍首相が増税の根拠とする景気の良さの理由が、根本的な部分で信憑性に欠けるものになっています。

何度も強く申し上げたいことは、今年10月の増税があたかも「決定事項」のように取り上げられていますが、あくまでも増税は「予定」であって、延期するも中止するも政治の判断で出来るということです。さらには逆に「減税」すら何も難しいことではありません。

消費税増税が日本にとって本当に必要であり、国民の暮らしを長期的に支えるために不可欠なものであるならば、敢行すべきであると考えますが、今回の消費増税は確実に日本経済に破壊的ダメージをもたらし、財政基盤自体を破壊するものであることから、私は断固として増税に反対の意を示します。

何故なら、この10%への消費増税は国民の消費を落ち込ませ、国民をますます貧困化し、格差を拡大させるからです。

(2)に続く…

大阪保険医新聞 2019年3月15日号(1面)に掲載


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