【理事長談話】国民皆保険制度を破壊する「一部保険外療養」創設に強く抗議する

2026年5月28日

大阪府保険医協会

理事長 宇都宮 健弘

5月28日、参議院厚労委員会において「健康保険法等の一部を改正する法律案」が可決された。与党による数の力での強行採決に強く抗議する。

本法案にある「一部保険外療養」の創設は、すでに保険収載されている薬剤の薬剤費を公的保険から外していくものであり、これまでの保険外併用療養費制度とは明らかに質と次元の違う、大きな問題である。

今回の「一部保険外療養」は77成分1100品目の医薬品について薬剤費の25%を保険外として追加負担を求める内容であり、日常的に治療に要する医薬品を保険給付から外すことにほかならない。また、今後、対象範囲や負担割合を拡大していくことが昨年末の財務・厚労大臣の「大臣折衝事項」に明記されており、今後、歯止めなく対象薬剤や負担割合が拡大していくことが懸念される。

しかも、「一部保険外療養」の対象について、診察や処置、手術などあらゆる診療行為に対象が拡大していく可能性について上野厚労大臣や保険局長は否定しなかったことから、国民皆保険制度を破壊する蟻の一穴となることが強く危惧されている。

こうした懸念に対し、国会質疑で保険局長は5月28日の参議院厚労委員会で「(議論の経緯、立法目的・立法事実、同号の前段や附則の検討規定等を踏まえると)薬剤のみを対象としたものと解釈している」と修正答弁を行った。

 法案が示された直後から協会・保団連はこの点を厳しく追及してきたことが、今回の修正答弁を引き出すことにつながった。しかし、あくまでも解釈であり、今後、政府の見解が変更される可能性は残されているため、引き続き警鐘を鳴らしていきたい。

 患者負担の増加は受診控えにつながり、患者の減少は地域の医療機関の経営悪化・閉院をもたらす。このままでは「近くに医療機関がない」「保険料を払っているのに医療を受けられない」社会を現実のものにする。

 国民生活が一層の厳しさを増す中、「いつでも、どこでも、だれでも医療にかかることができる」国民皆保険制度を破壊させてはならない。以上のことから、「健康保険法等の一部を改正する法律」の成立と「一部保険外療養」創設に断固反対し、撤回を求める。

              
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