個人情報保護法“改悪”法案の委員会採決へ抗議する理事会声明
- 2026/7/16
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本人同意なく病歴など要配慮個人情報の利活用を可能とする
個人情報保護法“改悪”法案の委員会採決に強く抗議する
7月8日の参議院デジタル委員会で採決された個人情報保護法改正案に、医療データの活用を推進する立場の専門家からも「最悪の案」との指摘が出ている。
AI開発を目的とした場合に、医療機関など個人情報取扱事業者が保有する病歴等の要配慮個人情報を、名前、住所を匿名化しないまま、本人の同意なくAI開発事業者等に提供することを法的に可能とする内容だからだ。
要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実など、不当な差別や偏見などの不利益が生じないよう、取り扱いに特に注意を要する個人情報で、現行法では、第三者にデータを提供するには、その都度本人の明確な同意が必須とされており、本人に通知または公表することで同意を得たとみなす「オプトアウト方式」での提供も禁止されている。
政府はこれまでも医療情報の利活用促進の立場から制度設計を進めてきたが、「匿名加工」や「仮名加工」など個人が特定できない・しにくい状態にデータを加工するなど安全性を一定担保する仕組み作りを行ってきた。
しかし改正法では、医療機関が保有する個人名入りの病歴など医療情報を、AI開発など統計作成を目的とする場合には本人の同意がなくてもAI開発事業者などに提供できるようになる。
これでは、特定の個人を識別可能とする情報が漏えいする危険や、個人情報に関する提供元と提供先(企業)との間の責任関係、医師の守秘義務違反が問われるのかなど不安や懸念が尽きない。医師と患者の信頼関係が大きく損なわれることも懸念される。
日本弁護士連合会は意見書で、「統計情報等が示した関係性を有する個人に当てはめて特定の事実を推定するなどして、精緻なプロファイリングに用いられ、新たな差別やプライバシー侵害を引き起こすおそれがある」と指摘している。
大阪府保険医協会は、こうした重大な懸念がある個人情報保護法“改悪”に強く反対し、採決の撤回と廃案を求める。
2026年7月9日
大阪府保険医協会 第17回理事会








