【総会決議】診療報酬の大幅引き上げと国民生活を支える施策の実施を実現しよう
- 2025/10/1
- 声明・提言
少数与党の自民党は10月4日に総裁選を行うことを決め、党内の権力争いを繰り広げている。裏金問題をはじめ自らの行いを反省することなく、旧態依然とした政治を続けようとする様に、更なる失望が国民に広がっている。7月の参議院選挙で国民は苦しい生活状況の打開策を求め、国民負担を軽減する施策の実施が早急に必要にも関わらず、総裁選を優先させ臨時国会の召集を後回しにしている。いったいどこを見て政治をしているのか、怒りを禁じ得ない。政治の空白の早期解消、国民生活を下支えする施策の早期実施を強く求める。
大阪維新府政では、府の9月補正予算では未だ万博に関連付けた補助金が多くを占め、他県で実施されている中小企業などへの賃上げ支援など府民のくらしや生業を支える施策は見当たらない。残すところ後16日となった万博の真っ当な総括とともに、維新の会が進めるカジノ・IR誘致の中止、2度も住民投票で否決された「都構想」を前提とする「副首都構想」の撤回、高すぎる国保料・介護保険料の引下げなど住民本位の府政への転換を求める。
国民のくらし向上に、医療・社会保障制度は大きく寄与するものであるが、政府は高額療養費の上限引き上げや病床削減、一部処方薬の保険はずしも狙っており、国民から医療が更に遠ざけられようとしている。また、12月には従来の保険証が全て有効期限切れとなるが、資格確認方法を複雑化しても無保険扱いとなるケースの解消には至っていない。国民皆保険制度を守り発展させるため、制度改悪を阻止し、保険証を復活させよう。
医療提供体制においては、度重なる診療報酬のマイナス改定で、「ある日突然、地域から医療機関がなくなる」という事態が目の前に迫りつつある。診療報酬の抜本的な引き上げは待ったなしの状況であり、物価高騰・人件費上昇に対応するためにも、医療DXなど国の政策推進のための評価ではなく、基本診療料を中心とした診療報酬10%以上引き上げは医療界の共通した要求になっている。次期改定に向けてこの声を更に大きくし、必ず実行させよう。
社会保障の削減を主張する政党が国会の多数を占めている現在、この秋の運動が今後の国民皆保険制度の行く末を大きく左右する。当会では現在、「薬の保険給付存続」と「診療報酬の大幅引き上げ」を求める署名に取り組んでおり、保険証の復活を求める署名も準備している。また、11月1日には「STOP!命を奪う政治」と銘打ち近畿規模での集会を開催する。各取り組みへの会員の先生方の積極的な参加をここに呼びかける。
現場の声が世論を動かし、政治・行政を動かすことに確信を持ち、医療現場の実態や医療・社会保障制度が果たしている役割を改めて政府・国民へ伝え、「国民皆保険を守れ」、「診療報酬の大幅引き上げを」の声を大きく広げていこう。
2025年9月27日
大阪府保険医協会第64回定期総会