「異議申請」は守るべき貴重な権利 納得のいかない場合は積極的な申し立てを

保険診療 虫めがね No.68

今年の4月より面談による再審査請求が原則廃止されました。審査委員が医療機関(診療担当者)を呼び出して面接懇談ができる根拠は支払基金法第18条と国保法第89条にありますが、医療機関が審査委員に対して面談を求める法的根拠は、実は存在していません。それどころか「(書面を含め)医療機関から再審査請求を行う権利そのものが弱い」と言わざるを得ない状況です。そこで、審査について、改めて法的な観点からみていきます。

まず、健康保険法ですが審査については第76条の4で「保険者は審査の上、支払うものとする」(概要)とあります。また、同条の5では「保険者は、事務を支払基金又は国保連に委託することができる」(概要)と示されています。しかし、「審査」について、これ以上は示されていません。

次に、支払基金に関してみていきます。支払基金法第15条の3では「診療担当者の提出する診療報酬請求書の審査(その審査について不服の申出があつた場合の再審査を含む。以下同じ。)を行う」とあり、カッコ書きの中に、再審査に関する記述があります。しかし、支払基金法上では、この他に「再審査」に関する記述はなく、詳細は示されていません。

ただし、法律ではありませんが「社会保険診療報酬請求書審査委員会及び社会保険診療報酬請求書特別審査委員会規程」の第2条の3では「審査委員会は、その審査について不服の申出があった場合に再審査を行うため、その定めるところにより、再審査部会を置くものとする」とあり、規則の上では、不服の申し出があった場合に、審査委員会に再審査部会を置く義務が明記されています。

さらに、国保には国民健康保険法施行規則の中に、再審査請求の権利に関して、より具体的な記述があります。同規則第30条では、「再度の考案」として「前条の規定による審査につき苦情がある者は、再度の考案を求めることができる」と明確に規定しています。

また、同規則第41条では「審査委員会は、第30条の規定により再度の考案を求められた事件について審査を行うため、その定めるところにより、診療報酬再審査部会を置くものとする」として、基金と同様に再審査部会を置く義務が課されています。

積極的な「再審査請求」が大切

以上のように、支払基金・国保ともに規則の上では、再審査に関して記されていますが、法律で明確に規定されたものではありません。さらに、支払基金では規則の上でも「再審査請求の権利」に関する記述はありません。

また、支払基金・国保ともに「不服の申出があった場合に再審査部会を置く」という受動的な制度となっており、義務を果たさせるためには医療機関が積極的に再審査請求(異議申請)を行っていく必要があります。

再審査請求は「当たり前の存在」ではなく、民主的な審査を求めた保険医運動の歴史や、審査委員会との力関係によって立っている制度です。納得のいかない減点等については、積極的に再審査請求を行っていくことが大切です。


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