診療情報提供料(Ⅲ)算定方法についてケースごとに解説

保険診療 虫めがね No.67

今回は2020年度診療報酬改定で新設された診療情報提供料(Ⅲ)について、算定要件が分かりにくいとの声をいただいていますので、その内容をご紹介します。

診療情報提供料(Ⅲ)150点は紹介元保険医療機関の求めに応じて診療状況を示す文書を提供した場合に算定することとされています。

算定機会の多い診療情報提供料(Ⅰ)250点との大きな違いは、すでに他の医療機関から紹介を受けた患者を対象としている点で、紹介元医療機関からの求めに応じて情報提供を行う場合に算定します。

つまり、診療情報提供料(Ⅲ)は紹介を受けた医療機関側で算定することになります。

それを踏まえて、診療情報提供料(Ⅲ)はさらに以下のケースにより算定要件、算定回数が異なります。

①かかりつけ医機能を有する保険医療機関から紹介された患者

かかりつけ医機能を有する医療機関として、下記※の点数を届出している医療機関から紹介された患者で、紹介元医療機関の求めに応じて情報提供した場合に算定できます。つまり、相手方の紹介元医療機関が※の点数を届出しているケースとなります。

※地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は支援病院に限る)

②かかりつけ医機能を有する保険医療機関に紹介された患者

①のケースとは逆で、紹介を受けた医療機関側(=自院)が※の点数を届出しており、紹介元医療機関の求めに応じて情報提供した場合に算定できます。

①と②のケースをまとめると、自院又は紹介元医療機関のいずれかが、※の点数の届出を行っていることが必要ということになります。※の点数を届出しているかどうかは、情報提供書で確認するか、紹介元医療機関に直接照会することになります。算定は3カ月に1回となります。

③妊娠中の患者

妊娠中の患者で紹介元医療機関からの求めに応じて情報提供した場合に算定できます。①、②のケースとは異なり、この場合はかかりつけ医機能を有するとして※の点数を届出している必要はありません。このケースも3カ月に1回の算定となります。

④産科又は産婦人科医療機関から紹介された妊娠中の患者

産科又は産婦人科医療機関から紹介された妊娠中の患者で、紹介元医療機関(産科又は産婦人科医療機関)に情報提供を行った場合に算定できます。この場合、①~③のケースとは異なり、月1回算定できます。

⑤産科又は産婦人科医療機関に紹介された妊娠中の患者

④のケースとは逆で、妊娠中の患者の紹介を受けた医療機関側(=自院)が産科又は産婦人科医療機関の場合で、紹介元医療機関に情報提供を行った場合に算定できます。この場合も月1回算定できます。

④と⑤のケースをまとめると、自院又は紹介元医療機関のいずれかが産科又は産婦人科医療機関で、妊娠中の患者であることが必要ということになります。妊婦が対象であるのは③と同じですが、さらに産科又は産婦人科医療機関と連携する場合は、このケースに該当し、算定回数も月1回算定可能になるということになります。

以上、診療情報提供料Ⅲを算定できるケースを紹介しました。いずれのケースも紹介を受けた医療機関側で算定するという点では共通していますが、かかりつけ医機能を有する医療機関かどうか、妊婦かどうか、妊婦で産科又は産婦人科医療機関かどうかにより算定要件や算定回数が異なる点が非常に複雑になっていると言えます。

いずれにせよ、情報提供にかかる手間がしっかりと評価され、簡潔で分かりやすい診療情報提供料の仕組みにしてもらいたいものです。


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