保険診療 虫めがね No.63

新型コロナウイルス関連の診療報酬上の臨時特例通知が多数発出されています。感染拡大が続く中、特例適用の機会も増加しており、問い合わせが寄せられていますので、改めて外来関連の臨時特例について主な事項をご紹介します。なお、臨時特例の適用期間については、特に明記しているものを除き、当面の間継続することになっています。
(1)初診から電話、情報通信機器等(以下電話等)を用いた診療を実施する場合の特例

本来初診患者は対面診療が原則ですが、今回の特例で医師が電話等を用いた診療により診断・処方が可能と判断した範囲において、電話等による診療が可能とされました。この場合、『初診料(新型コロナウイルス感染症・診療報酬上臨時的取扱)214点』を算定します。麻薬、向精神薬の処方は禁止されており、過去の診療録や診療情報提供書等により、基礎疾患の情報が把握できない場合は、処方日数が7日間を上限とされていますのでご注意ください。

(2)電話等再診における医学管理料、通院・在宅精神療法の算定

以前から対面診療において療養上の管理を行い、対象の医学管理料等を算定していた患者に対して、電話等を用いた診療においても診療計画等に基づく管理を行う場合、『慢性疾患の診療(新型コロナウイルス感染症・診療報酬上臨時的取扱)147点』を月1回算定できます。対象は以下の【●】の点数です。なお、通院・在宅精神療法も同様に『精神疾患の診療(新型コロナウイルス感染症・診療報酬上臨時的取扱)147点』を月1回算定となります。

●特定疾患療養管理料、小児科療養指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、糖尿病透析予防指導管理料、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、生活習慣病管理料

(3)乳幼児感染予防策加算

6歳未満の乳幼児に対して、特に必要な感染予防策を講じたうえで診療を行った場合、「初診料」「再診料」「外来診療料」「小児科外来診療料」「小児かかりつけ診療料」を算定する場合に『乳幼児感染予防策加算100点』を加算できます。全ての診療科が対象で、患者等に対して院内感染防止などに留意した対応を行っている旨を十分に説明し、同意を得る必要があります。なお、算定期間は2020年12月15日~2021年2月末までとされていますが、延長も検討されています((7)参照)。

(4)院内トリアージ実施料

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)疑いもしくは確定の患者に対し、必要な感染予防策を講じた場合、『院内トリアージ実施料300点』が算定できます。特例として、届出は不要で、診療時間帯を問わず、初診・再診患者いずれも対象となります。地域包括診療料、認知症地域包括診療料、生活習慣病管理料、在宅がん医療総合診療料を算定している場合も要件を満たせば別に算定できます。外来受診又は往診等の際に算定可能で、電話等による診療の場合は算定できません。

(5)在宅時医学総合管理料等

前月に「月2回以上訪問診療を行っている場合」の在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料を算定していた患者で、当月も療養計画に基づき、例えば2回の定期訪問を予定していたが、訪問診療1回、電話等を用いた診療1回となった場合でも、「月2回以上訪問診療を行っている場合」の点数が算定できます。訪問診療1回は必須で、電話等による診療のみとなった月は算定できません。

(6)在宅療養指導管理料

過去3月以内に在宅療養指導管理料を算定した慢性疾患等を有する定期受診患者等について、医師が電話等を用いて療養上必要な指導を行い、必要かつ十分な量の衛生材料又は保険医療材料を支給した場合に限り、在宅療養指導管理料と在宅療養指導管理材料加算を算定できます。

(7)今後検討されている事項

12月18日に開催された中医協総会で、さらなる特例が提案され概ね了承されました。正式な通知等はまだ発出されていませんので、今後変更される可能性はありますが、中医協で提案された内容について2点ご紹介します。

①新設された『乳幼児感染予防策加算100点』について、2月末までとされている算定期間を9月末まで延長し、10月以降は50点で算定する内容で検討されています。

②全ての患者の診療において「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」等を参考に感染予防策を講じた場合、外来診療等の際に初診・再診等について、1回当たり5点、入院については1日当たり10点を算定できることとされています。算定期間は4月~9月末までとし、10月以降は延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域医療の実態等を踏まえ、単純延長も含め、必要に応じて柔軟に対応するとされています。現時点で詳細な算定要件等は不明ですが、今後分かりましたらお知らせする予定です。


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