保険診療 虫めがね No.60

コロナ禍のなかで政府は高齢者に対するインフルエンザ予防接種を推奨してきました。公費負担により無料のため、今年は予防接種を希望する患者が多いとの声が届きます。

こうしたことから公費によるインフルエンザ予防接種時に併せて、同医師が同時に、患者に定期処方をした場合、再診料を算定できるかとの質問が寄せられます。

初診料算定の原則の保医発通知では「労災保険、健康診断、自費等(医療保険給付対象外)により傷病の治療を入院外で受けている期間中又は医療法に規定する病床に入院(当該入院についてその理由等は問わない)している期間中にあっては、当該保険医療機関において医療保険給付対象となる診療を受けた場合においても、初診料は算定できない」となっており、予防接種と同時に保険診療を行った場合は、保険診療に係る初診料は、算定できません。これは再診料についても同じ考え方になります。これは診察料について2重に算定(徴収)できないと解されているからです。

公費負担による予防接種に含まれる問診料等の費用は、厚生労働省が総務省に対する地方交付税要求時に診察料(初診料)、注射実施料から算出しています。今回の65歳以上のインフルエンザ予防接種無償化も同様であることが推察されます。

保険診療で診察料を算定しない場合のレセプトには、「他法にて診察料算定済み」と記載し請求することとなります。

「2重請求」になりがち注意が必要

こうした解釈を知らずに、予防接種時に再診料や外来管理加算、管理料等を算定していた医療機関が、患者からの情報提供により個別指導に選定されたことがあります。請求先が違うため、算定していても審査支払機関では「2重請求」になっているかどうか分からないため、査定されずに見過されがちですが、個別指導にあたれば指定された患者の保険診療のカルテと自費のカルテの両方の持参を求められるため容易にわかることとなります。注意したいものです。


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