昨年度個別指導の結果の概要を紹介

保険診療 虫めがね No.59

近畿厚生局への情報開示請求により、昨年度(令和元年度)個別指導の結果の概要が判明しました。今回は開示資料の内容について紹介します。
※一部表と数字が異なりますが、開示資料原文そのまま掲載しております。

開示資料では昨年度の実施件数について、集団的個別指導514件、新規個別指導226件、個別指導36件(延べ数)※の実施となりました。特に個別指導の件数について、例年は50件程度の実施となっていましたが、昨年度は若干減少しています。1月を最後に実施されておらず、新型コロナウイルス感染症の影響により年度末に実施されなかったことが減少の要因になったのかもしれません。なお、今年度の集団的個別指導は中止となりましたが、個別指導は9月から再開されており、新規個別指導は昨年7~8月開業の医療機関から順次実施されているようです。

新規個別指導の実施結果内訳(表1)について、ほとんどは経過観察となっていますが、再指導が11件と前年度の2件から増加している点に注意が必要です。

再指導になった場合、翌年度に再度実施されることになりますが、その際は新規個別指導ではなく通常個別指導の扱いになりますので、患者指定も新規の場合は10人ですが30人に増え、カルテの準備等の負担も非常に大きくなります。また、返還について、新規個別指導においても130医療機関、計約540万円の返還金が発生しています。

高点数による指導も

個別指導の件数内訳(表2―1)では、①情報提供13件、②再指導10件、③高点数7件、④その他1件の結果となりました。③高点数を理由とした個別指導が少なからず実施されていることが分かります。実施結果内訳(表2―2)では再指導が14件と個別指導を受けた医療機関の約半数が再指導となっています。個別指導の返還は43医療機関、計約1億円発生しています。

個別の指摘事項の紹介

個々の指摘事項は多岐に渡りますので、返還が発生している事項を一部紹介します。

  • 慢性疾患等明らかに同一の疾病又は傷病の診療を行った場合に初診料を算定している
  • 外来管理加算について、患者からの聴取事項、診察所見の要点を記載していない
  • 特定疾患療養管理料について、服薬、運動、栄養などの療養上の管理内容の要点について記載がない
  • 悪性腫瘍特異物質治療管理料について、腫瘍マーカーの検査結果・治療計画の要点について記載がない
  • 薬剤情報提供料について、薬剤情報を提供した旨の記載がない
  • 在宅時医学総合管理料等について、在宅療養計画、説明の要点等の記載がない
  • 在宅自己注射指導管理料について、指示した根拠、指示事項、指導内容の要点等の記載がない
  • 特定疾患処方管理加算について、特定疾患が主病でない患者に対して算定している

以上の通り、点数算定要件等でカルテ記載が求められる事項を中心に指摘されています。カルテ記載が求められる点数について、当会発行の『保険診療の手引』92頁~掲載していますのでご活用ください。その他の指摘事項等については近畿厚生局のHPからも参照することができます。

実施結果から見ても分かるように、再指導が増加していることや返還金の発生など、厳しくなっていることが懸念されます。今後も保険医協会では、個別指導に関する改善の運動に取り組むとともに、学習会等を開催し適切な保険請求に資するよう情報提供を行っていきます。


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