コロナ禍における「病院への立入検査」について

保険診療 虫めがね No.57

7月15日付の大阪保険医新聞にて既報のとおり、病院については、今年度の個別指導及び監査について、「緊急を要する場合」についてのみ実施するとされました(診療所は原則実施)。また、届出医療の確認がされる適時調査については中止とされ、「緊急を要する場合」にのみ、病院の外で行うとされました。

保健所の立入検査も特例通知が出される

保健所が実施する「医療法に基づく立入検査」についても、5月12日付で厚生労働省医政局地域医療計画課より、地域の衛生主管部(保健所等)宛てに通知が出されています。

本来、保健所の立入検査は、病院は原則年1回、有床診療所は3年に1回とされていますが、当該通知において、「立入検査実施要領に関わらず、感染状況等を勘案して実施すること」が要請されています。更に「令和2年度に立入検査を実施しないこととした病院については、令和3年度の実施をもって実施したこととみなす」とされており、令和2年度の立入検査の実施をしなくても令和3年に実施すればよい旨の判断を示しています。

大阪においても、いくつかの病院より「立入調査中止の通知が病院に届いた」等の声が寄せられています。

適時調査・個別指導等と、医療法に基づく立入検査。実施部門は異なりますが、病院現場に立ち入らないという行政指導のスタンスは一貫しています。

長期化を想定した体制の構築が課題

病院に対する個別指導や適時調査等については、今年度、原則、「見送り」という措置に異論はありませんが、保健所による立ち入り検査の「見送り」については指摘すべき点があります。

コロナ禍への対応に追われる保健所側、病院側、双方ともに「当面の措置」としての「立入調査見送り」について、異論は少ないでしょうが、「長期化」を想定した場合、医療現場に対してどのように感染防止対策等、実効性のある支援、指導を行うのか大きな課題です。

実効性のある感染防止指導が求められる

また、地域では、中小規模の病院や診療所においても、大阪府と契約を結び、新型コロナ感染症の検査を実施する医療機関が増えています。院内感染のリスクが高まるなかで、実効性のある感染防止等の指導が必要な状況ではないでしょうか。

保健所等の体制の強化が前提となりますが、感染が再拡大しつつあるこの時期にどのようにして医療現場に対して指導・支援し、現場の実情を医療政策に反映させるのか、行政指導の在り方が問われる状況です。

 


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