個別指導等の年内実施は見送るべき

mushimegane

保険診療 虫めがね No.56

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、今年度の個別指導の予定は明らかにされているものの、この7月に入っても実施が見送られました。

厚生局からは返答はありませんが、協会は個別指導や適時調査の実施について、年内は行わないように近畿厚生局へ要請していました。

大阪府下の医療機関は新型コロナウイルス感染症への対応に追われると同時に点数改定に対応する状況に置かれています。こういう状況下で、厚生局が改定内容を周知していない点について指導するのは混乱が起きることが予想されます。それに加え、新型コロナウイルスに関する診療報酬の臨時的取扱いに関する事務連絡が次々と発出されており、その解釈が正しく理解され、カルテが不備なく記載されているのかが懸念されます。

また何よりも個別指導のやり方は「3密」に該当すると考えます。密閉された部屋で、多数の医療従事者等が密集、カルテを見ながら2時間の技官と事務官との密接したやりとりは感染拡大を引き起こす恐れがあり、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の「三つの密」を避けるに反するため、この時期の実施は見送るべきです。

高点数での選定基準は廃止すべき

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、平均点を選定基準とする場合の個別指導や集団的個別指導についても、来年度にかけて問題が出てくると思われます。集団的個別指導の選定基準となる平均点数の算出は通常前年度の4月~9月です。

新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院は、入院点数の引き上げが行われており、レセプト1件当たりの点数が高くなる恐れがあります。入院外患者を受け入れる医療機関も同様に患者が減りレセプト枚数が少なくなる一方で、臨時的取扱いで「院内トリアージ実施料」を算定している場合は、レセプト1件当たりの点数が高くなり、これらの点数を算定していない医療機関との差が出てきて、選定に偏りが生ずる可能性があります。

協会はレセプト1件当たりの平均点が高い医療機関を対象とする集団的個別指導等は保険診療の改善に結びつくものではなく、むしろ医療機関の萎縮診療をもたらすように働くため、このような取り扱いを廃止するように求めてきました。

この際、平均点による指導はさらなる矛盾を生み出すことが予想されるため、廃止するべきだと考えます。会員の先生方のお考えはいかがでしょうか。まずは新型コロナウイルス感染症拡大の難局を乗り切ることを最優先とすべきではないでしょうか。


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