夢洲カジノ計画

カジノ誘致に潜むワナ 第3回目 阪南大学流通学部教授 桜田照雄

計画の概要

2019年4月に大阪府・市のIR推進局は、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業(仮称)」の事業コンセプトの募集を公表しました。2019年8月頃を提案書の提出期限としています。この時期に募集を行うのは、「国の基本方針策定後の速やかな『民間事業者の公募・選定』実施につなげることを目的に実施する」としています。

IR推進局が提示した「事業案件」は、「国際会議場=最大国際会議室収容人数6000人以上及びこれと同数以上収容可能な中小会議室群」、「展示等施設= 展示面積10万平米以上」、「魅力増進施設」「送客施設」「宿泊施設=3000室以上の多様なニーズに対応できる宿泊施設」のほか、「国際競争力を有するリゾート形成」「エンターテイメント拠点の形成」などを条件としています。

「カジノ」という文言は、いわばこの募集要項には登場しませんが「特定複合観光施設区域整備法」(2018年7月)は第2条で「特定複合観光施設」とは「カジノ施設と第一号から五号に掲げる施設から構成される一群の施設」と定義しているので、「カジノ施設」の「設置運営」は自明のこととして扱われています。それゆえ「ギャンブル依存症対策」や「治安・地域風俗環境対策」も事業条件に含まれています。

国内戦略総合特区として

2011年12月に夢洲は隣地の咲洲地区とともに、「関西イノベーション国際戦略総合特区」として「国際戦略総合特区」の区域指定を受けています。ここで着目すべきことは、「総合特区制度に基づく規制の特例措置」が設けられていることです。

というのも、夢洲自体が法的には産業廃棄物の最終処分場であることから、さまざまな環境規制が設けられており、この「土地」(法的には海水面)の開発にあたっては環境規制が開発の制約条件となることが考えられるためです。

夢洲での事業展開、すなわち不動産開発を展開するうえでの制約条件を突破する手段として、「規制の特例措置」が設けられる可能性も否定できません。また、「現役の処分場」として運営し続けることで、つまり「リゾート」や「エンターテイメント拠点」の運営と「産業廃棄物処分場」の運営を併存させることで、さまざまな法的規制を免れることも有り得ないことではありません。

建築上の諸懸念

マカオのベネチアン・マカオ

左画像は世界最大規模の「IR施設」であるマカオのベネチアン・マカオの画像です。背後にそびえる高層建築物が3000室のホテルです。この規模の施設の建築が夢洲で目論まれています。

カジノ事業者には200億円の〝開発負担金〟を負担させますが、夢州は防災上の弱点を多数抱える人工島であり、大阪湾という「洪積層の沈下により半永久的に沈下しつづける」特殊な地層に「特別用途地区」(規制緩和の手段)制度を活用して大規模集客施設を建設するのは慎重のうえにも慎重な判断が必要であると言わなければなりません。現状では、建設利権の確定を急いだとの謗りを受けかねない事態です。

夢洲都市計画変更素案の概要より


ページ上部へ戻る