長期政権の驕りと緩み―2018年を振り返って


「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」という言葉がある。これは英国の歴史家ジョン・アクトンの言葉だ。最近の我が国の政治も政権が長くなるにつれ、驕りと緩みが出てきている。重要な法案が提出されても資料は間違いだらけで不十分なうえ、審議時間も少ない。いわば何事も拙速に過ぎる状況である。このような社会情勢の中、大阪府保険医協会は「市民生活の安全と安心」を守り「保険医の健全な経営」の維持のために活動し、会員間の親睦をはかると共に、数々の文化的情報の提供や行事を主催してきた。

市民生活の安心と安全を守る

我々の調査で、学校健診後未治療の割合が医科・歯科ともに多いことが明らかとなった。親の無関心や時間的制限もあるが、助成金が出ると受診率が向上するという事実もある。健診後受診の重要性の啓発とともに助成金の必要性を府に対して要望していくことを確認した。

また、今年4月から大阪府老人医療費助成制度を廃止し、障害・難病患者の医療費助成制度を後退させる制度改定が行われた。大阪協会はこの制度の抜本的拡充を府・自治体に求める活動に取り組んできた。

医療による維持期リハにおいては介護保険への移行が決定されているが受け皿の体制は不十分であり「リハビリ難民」が続出することが危惧される。大阪協会は患者署名を実施し厚労省交渉を行ってきた。

生活保護患者への後発医薬品の使用原則化と明細書発行の義務化を受けて、我々は厚労省に対しパブリックコメントを提出。この差別的な取り扱いは社会保障の理念を毀損し、医療内容の制限が国民全体に拡がることを危惧すると強調した。

また、住吉市民病院が今年3月末で閉院した。医療機能の継続を求める陳情署名や閉院後の地域医療についてのアンケート調査を行い大阪市などへ要望してきた。

保険医の健全な経営の維持

大阪協会は、アンケート結果などを踏まえ、4月時点でのオンライン診療料の診療報酬適用は拙速であると指摘している。これは医療ビジネスが優先され医師と患者の関係が疎遠になる危険がある。協会としては、厚生労働省の解釈や今後出される予定のガイドラインの議論を注視していくこととなった。

2018年4月診療報酬改定の重点の1つに「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」が掲げられ「外来医療の機能分化」と「かかりつけ医の機能を評価」する点数が新設された。しかし技術料の正当な評価や患者負担軽減がされていない。

他に訪問診療の回数制限、働き方改革問題やインフルエンザワクチン不足問題、大阪北部地震等の深刻な被害など課題は山積みであった。

多様な講演会等を開催

定期総会記念講演では「安倍政権と報道―いま、現場から考える」をテーマに東京新聞社会部記者・望月衣塑子氏に講演いただいた。女医の会では「傷ついた脳とこころ~子どもたちの健やかな育ちのために」をテーマに福井大学教授・友田明美氏より講演をいただくなど、多くの意義深い講演会が開催された。


多難な年ではあったが9月30日の沖縄県知事選では普天間基地撤去・辺野古移設反対を公約として掲げた玉城デニー氏が快勝した。これこそ民意の現れであり、我々も大いに力付けられた。

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