選挙結果・政党アンケートを踏まえ協会の政策に磨きをかけていく

岸田新首相は「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」を掲げ、「特技は人の話をしっかり聞くこと」をアピールしたが、「聞く」どころか大方の予想を裏切って10月14日の電撃解散、31日投開票の衆議院選挙となった。

国会は総理の所信表明と各党代表質問に対する答弁のみであっさり閉会となった。果たしてコロナ禍で困窮する国民の声は国会審議の俎上に載らなかった。

大阪府保険医協会は国会、地方議会を問わず、議員選挙は国民医療の改善、医療機関の健全な経営を実現していく重要な機会と位置付けてきた。

今回の選挙を想定し、医科・歯科協会合同で各政党にアンケートを送付した。例年に比べ判断材料となる興味深い結果を10月15日号の保険医新聞に掲載した。

各政党は協会会員の要求をどのように受け止めたか概略をみてみよう。
「医科診療報酬の引き上げ」「医師・看護師数を増やす」「地域医療構想を見直し、病床を増やす」「医療機関の減収分を全額補填する」などの項目に自民、維新は賛成しなかった。立民、共産、社民、れいわの4野党は賛成を表明した。

「75歳以上の医療費窓口負担2割化」「マイナンバーカードの健康保険証化」については4野党は反対、自民・公明、維新は賛成を公約とした。「カジノ・IRを大阪に誘致する」は維新が唯一賛成と回答した。

総合的に判断して協会会員の要求に賛意を示したのは4野党ということになった。しかし今回の選挙結果は、医療・社会保障の前進を目指す協会の意に反して大阪では公明と調整を図った維新が、15小選挙区全てにおいて議席を獲得した。

公務を投げ出し選挙の顔に徹した維新知事・市長の「身を切る改革」「大阪の行政をバラ色に描く」全国遊説の影響は大きかった。同時に与党批判、野党共闘・統一候補批判を巧みに演出し、批判票の受け皿として維新は躍進した。

協会会員の要求を支持しない政党が、大阪で大きな政治力を持った状況を真剣に受け止め、検討する必要がある。「地域の医療・社会保障を守っていく」「医療機関の経営を安定させる」を同時に実現していくためには、要求項目をさらにレベルアップし、どの政党とも合意点を探りながら前に進める地道な努力こそが私たちに課せられている。

協会としての今後の対応は、協会の要求に少しでも耳を傾ける政党に対して、いわゆる保守・革新の枠にとらわれず話し合いを重ねることを強化する必要がある。そのためには今回のアンケートを足掛かりにして、コロナ禍で明らかになった全国最悪の大阪の医療逼迫状況の問題点、医療機関の経営状態の悪化を科学的に・具体的に訴え、改善点を探る活動を深化させる必要がある。そのためにもこれまで以上に会員の広範な意見を拾い上げ、協会としての政策をさらに磨き上げていかねばならない。

今回の選挙でも明らかになったように、政治は空気の様に私たちと切っては切れない関係にある。協会会員の要求が実現できるよう今から準備し、来年の夏の参議院選挙に臨みたい。


保険医新聞掲載

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