第5回 在宅医療 複数の医療機関で算定可能になった在宅患者訪問診療料 保険医協会の運動で前進も算定要件に課題


今次改定の特徴の1つとして、在宅患者訪問診療料が複数医療機関で算定できるようになったことが挙げられます。具体的には、主治医として定期的な訪問診療を行っている医療機関から依頼があった場合に、他の医療機関でも新設された在宅患者訪問診療料Ⅰの「2」が算定できるようになりました。今回はこの点数についてご紹介します。

算定は原則月1回、6カ月が限度

保険医協会では、この間、訪問診療料の1医療機関限定要件の改善を求めてきました。昨年の厚労省との懇談で「次回改定で明確にする」との回答を得ていましたが、今次改定において在宅患者訪問診療料Ⅰの「2」(同一建物居住者以外の場合830点、同一建物居住者の場合178点)(以下「2」という)として設定されました。

在医総管等を算定している保険医療機関又は在医総管等を算定していなくとも療養計画に基づき主治医として定期的に訪問診療を行っている保険医療機関であって、当該患者の同意を得ている保険医療機関から依頼があった場合に訪問診療ができるというものです。

但し、算定は月1回に限られ、6カ月間という縛りが設けられました。月1回という縛りが除外される患者は定められていませんが、6カ月を越えて算定できる患者は、特掲診療料の施設基準等別表7(末期の悪性腫瘍、多発性硬化症など)〈週3日の訪問回数の制限を受けない患者と同様〉と定められています。この別表7の患者以外で6カ月を超えた場合は、さらにその診療科の医師でなければ困難な診療又は既に診療した傷病やその関連疾患とは明らかに異なる傷病に対する診療のため、依頼があればさらに6カ月算定できます。

また月1回の算定制限があるとはいえ、別に急変等で患者等から直接往診の依頼があった場合は、往診料を算定できますので、ご留意ください。

依頼を受けて最初の訪問から「2」を算定

そのほかの算定上の留意点として、主治医から依頼があって、患家に初めて赴いた日であっても、初診料と往診料ではなく「2」で算定することとなるほか、1人の患者に対し、必要があれば複数の医療機関で「2」を算定することができます。

また、在宅時医学総合管理料等に包括される処置等を実施した際でも「2」を算定する場合は当該処置等の費用は算定できますので、算定漏れがないようにお願いします。

さらに「2」を算定する場合は、在宅ターミナルケア加算、在宅ターミナルケア加算の在宅緩和ケア充実診療所・病院加算、在宅療養実績加算1、在宅療養実績加算2、酸素療法加算及び在宅時医学総合管理料等が算定できませんので、ご留意ください。

レセプト・カルテ作成上の留意点

レセプトには他の保険医療機関から依頼があった年月を記載することが求められます。またカルテ記載で求められることは、①訪問診療の計画及び診療内容の要点、②主として診療を行う他の保険医療機関が診療を求めた傷病名、③訪問診療を行った日における診療時間(開始時刻及び終了時刻)及び診療場所です。そして同意書の添付です。これらは個別指導時などで指摘を受けないように忘れず行うことが大事です。           (おわり)

 

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