生命と向き合う協会活動―医師が平和運動に取り組む理由

保険医協会の活動を進めていると折にふれ耳にする意見がある。協会は何故政治色を出すのか、どうして憲法9条にこだわるのか、さらには沖縄の辺野古基地建設に反対する意味とは何なのかというものである。

これらの運動は自分たち医療従事者とは接点が無いとの主旨だろうか。

人それぞれの主義・主張・信条・宗教は自由なものである。大阪府保険医協会では月2回の理事会をはじめとして様々な役員会議が行われ、そこでは忌憚のない様々な意見が出されている。主に交わされる意見は、患者の生命と健康を守るための施策と医療機関の経営を守ることに大きく関与するものである。

会議では民主主義に則り公平性を保証し、公明正大に協会活動を展開していくことを心がけている。

少数意見に対しても、尊重の精神を忘れず配慮を怠らないが、議論は徹底的になされる。理事会での決定事項は当然ながら重要視され、そこで導き出された方針に沿って協会活動が進められてゆく。この姿勢を絶やさぬよう、役員・事務局が一体となり努力をしている。

医療者団体である保険医協会の会議で決定した多岐にわたる活動内容は、現状の医療制度の問題点に言及するものが圧倒的に多く、行政に制度の改定を訴えるための要望・要請が必要となる。ここに、保険医協会の活動と政治との接点が生じる。

医療者に限らず社会に生きるすべての人々は、実はこのように、政治とは無関係では存在できないのではないか。現代社会において、仕事も私生活も百パーセント満足できる人などそうは存在しない。現状に問題点を見出すからこそ政治に対して物申す姿勢が生まれてくるのである。

そして生命の尊さを身近に感じ、人間の生と死を見続けてきたわれわれ医療者にとって、平和の希求は決して外すことのできない、もうひとつの重要課題だ。人が人を傷つけるあらゆる行為に対して「NO」と答える。ここに憲法を重視し沖縄基地建設に異論を唱える理由が存在する。

コロナ禍の今、まさにここまで述べてきた主張に合致する医療政策が求められている。大阪府保険医協会は、これからも奇をてらわず、白けることなく生命と向き合ってゆく。広く、会員からの声に耳を傾けながら。


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