生保個別指導においての選定基準の例


mushimegane

保険診療 虫めがね No.41

生活保護医療(医療扶助)に関する個別指導は府知事または政令市・中核市の市長が実施することとなっており、自治体ごとに要綱を定めて実施しており、方法も違いがあります。今回は、対象の多い大阪市の例を紹介します。

対象は、生活保護医療扶助の指定を受けているすべての医療機関とされていますが、重点的かつ効率的な指導を行う観点から、対象となる医療機関を一定の計画に基づいて選定することとしています。その基準は⑴診療内容又は診療報酬の請求その他医療扶助の実施に関する情報提供のあった医療機関、⑵再度個別指導を行うことが必要及び改善を求めたにもかかわらず、改善が認められない医療機関、⑶検査(いわゆる監査)の結果、一定期間経過後に個別指導が必要とされた医療機関、⑷社会保険診療報酬支払基金から提供される被保護者に係る診療報酬請求データ又は電子レセプトの分析結果等を活用して得られる医療機関の特徴(例えば請求全体に占める被保護者に関する請求割合が高い、被保護者以外と比較して被保護者の診療報酬明細書(調剤報酬明細書を含む。)の1件あたりの平均請求点数が高い、被保護者の県外受診の割合が高い等)を総合的に勘案し、個別に内容審査をした上で個別指導が必要と認められる医療機関、⑸その他、特に個別指導が必要と認められる医療機関です。実施件数はこの5年間で多い年は27件、少ない年で17件行われています。

指導実施より以前1年以上遡り自主返還求められるケースも

指導の結果については5つあり、⑴「良好」―診療内容及び診療報酬の請求に関し、全て適切に行われている場合。⑵「概ね良好」―診療内容及び診療報酬の請求に関し、概ね適切に行われている場合。⑶「経過観察」―診療内容及び診療報酬の請求に関し、適正を欠く部分が認められるものの、その程度が軽微で、診療担当者等の理解も十分得られており、かつ、改善が期待できる場合。⑷「再指導」―適正を欠く取扱いが疑われ、再度指導を行わなければ改善の要否が判断できない場合。⑸「要検査」―指導の結果、次に定める選定基準に該当すると判断した場合には、後日速やかに検査を行うとされています。なお、指導中に診療内容又は診療報酬の請求について、明らかに不正又は著しい不当を確認した場合には、個別指導を中止し、直ちに検査を行うことができるとされています。

ア.診療内容に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

イ.診療報酬の請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

ウ.度重なる個別指導によっても診療内容又は診療報酬の請求に改善が見られないとき。

エ.正当な理由がなく個別指導を拒否したとき。

この5年間で指導の結果、要検査とされた医療機関はなかったものの、再指導とされた医療機関はわずかですが6%ほどあります。

そのほか、指導結果によっては自主返還を求められることがあり、指導で確認された患者だけでなく、大阪市の被保護者すべてを対象とし、個別指導実施以前1年以上分を対象とするとされています。

行政から通知・連絡がありましたら、すぐにTEL 06-6568-7721で協会までご連絡ください

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