特養入所者への診療の留意点 会計検査院調査で毎年指摘

mushimegane

保険診療 虫めがね No.48

会計検査院による会計実地検査の調査結果により、事実確認調査が大阪府又は近畿厚生局から毎年7月頃に実施されています。その中で毎年のように不適切な請求として、特別養護老人ホーム入所者(以下、特養入所者)への診療報酬請求のことが挙げられています。審査では査定されないため、知らず知らずに間違ったまま算定しているケースがあります。

医師が配置されている特養入所者の場合は、初診料、再診料等について配置医師は算定できないこととされています。また、保険医が配置医師でない場合については、緊急の場合または患者の傷病が当該配置医師の専門外にわたるものであるため、特に診療を必要とする場合を除き、特養に入所している患者に対してみだりに診療を行ってはならないとされています。

しかし、当該特養の配置医師でないにもかかわらず、定期的に特養の入所者に対して診療を行い、再診料等を算定してしまうと、事実確認調査で不適切な請求を行っているとして指摘されます。

配置医師が特養入所者に行う診療は、基本的に措置費等の他給付等により評価されており、診察料や往診料は算定できません。しかし、「特別の必要があって行う診療」は算定できます。

「特別の必要があって行う診療」とは、①緊急に往診を行った場合、②急性増悪等でやむを得ず外来受診した場合、③急性増悪等のため施設内で実施できない検査・画像診断のため来院した場合に限られます。

また、配置医師は特定疾患療養管理料、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、生活習慣病管理料、退院前訪問指導料、在宅療養指導管理料(退院前在宅療養指導管理料、在宅経腸投薬指導管理料、在宅腫瘍治療電場療法指導管理料、在宅経肛門的自己洗腸指導管理料を除く)を算定できません。

このように、特養入所者への診療報酬請求に関しては制限が設けられているため十分注意が必要です。

他に配置医師であるかないかにかかわらず算定できない点数がありますので、保険診療の手引2018年4月版のP1183~を参考にしていただき、上記のような事実確認調査において、数年にわたる返還を求められないように注意いただきたいと思います。


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