次期診療報酬改定で初診料30点 再診料5点のアップは必要

2020年度診療報酬改定に向けて政府の審議会等で社会保障費を抑制するため診療報酬を大幅に削減しようとしています。2002年以降の9回の改定中、実に7回がマイナス改定で、診療報酬は累計で10%引き下げられています。

診療報酬の引き下げ以外にも、①75歳以上の窓口負担2倍化、②外来受診時の定額上乗せ、③湿布・軟膏・点眼点鼻薬の保険外し、④要介護1・2の介護保険外し、⑤「地域別診療報酬」(地域単位で診療単価を引き下げ)がなどが画策されています。

これらを許せば、医院経営に大きな打撃が加えられ、専門医療は採算割れとなり、患者ファーストどころか地域医療崩壊にいたってしまうでしょう。

これ以上低医療費政策が続けば、世界水準の質の医療さえも患者に提供できなくなります。国民も患者も、そして勿論私たち医師も、科学的で合理的な医療が安心して行えることを望んでいます。また、それは日本が世界の規範となる社会保障としての医療の誇りでもあります。

政府の社会保障費削減政策に対して保険医協会は多方面に徹底的な反対運動を繰り広げており、9月からは全国で診療報酬増額を求めて院長署名を行います。

全国から集まった署名は国会議員に届けられ、本年12月に行われる診療報酬改定率の政治主導決定に影響を与え、来年1月から2月の中医協議論に影響を与えます。この院長署名と連動して来年1月以降は患者の窓口負担増加反対の国民署名を繰り広げます。

これまでの診療報酬改定では、わずかながらの技術料増額分は財務省・厚労省に恣意的に誘導され、実地開業医には結びつかなかった反省から、次期診療報酬改定では過去の10%引き下げ分を取り戻すためにも具体的に初診料30点、再診料5点のアップは必要と訴えていきたいと思います。

診療報酬引き上げの財源は十二分にある

財源は消費税や大企業負担以外にもあります。欧米各国よりあまりにも高すぎる日本の薬価を世界標準まで下げ、医療費に占める医薬品を適正化するだけで、初・再診料引き上げの財源は十二分に確保できるのです。また、2014年改定以降、薬価の引き下げ分が診療報酬本体部分に充当されなくなりましたが、薬価引き下げ分を完全に充当すべきです。

こうしたことを放置して医師の技術料を下げることに道理はありません。そもそも医学は進歩して人件費などの諸経費は増加しており、技術料の正当な評価を求めることは当然です。

今ではよく知られていることですが、日本における医師の診察料や処置料・手術料は世界各国の約2分の1です。その低医療費政策にもかかわらず、医師や医療従事者の懸命な過重労働によって、やっと病気で苦しむ患者への医療の質は保たれているのです。

ぜひ先生方みなさま全員から診療報酬増額の院長署名をよろしくお願いします。


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