うつ病などの「心の病」が原因で、2019年度に休職した公立の小中高・特別支援学級などの教職員が5478人、2018年度に退職した公立学校教員が817人いて、ともに過去最多だったことが12月22日、文部科学省の調査で分かった。(12月22日朝日新聞アピタルより)

筆者医院を受診される「心の病」もしくはその一歩手前で受診される教職員の方々から話を聞くと、まさにストレス満載の職場である。授業中のいわゆる学級崩壊、早朝や休日の部活、休憩時間や放課後には不登校や問題行動を起こした子供たちや保護者への対応、サービス残業の常態化、などなど、これらを完璧にこなそうとすれば平常でいられるほうがおかしい。事実、まじめで熱心な人から心が壊れていくように思う。

公立小学校での35人学級が来年度からようやく実現されるのは喜ばしいニュースである。しかし、生徒数が減ったからと教職員の負担が激減するとは考え難い。そのひとつに教職員が負わされている過大な期待がある。本来なら親や地域の大人たちが担ってきた社会生活の基本的躾というものがなされなくなり、学校という集団生活の場に適応できない子供が増えている。虐待やネグレクトの問題は学校のみで解決しうるものでは決してない。

クレーマーの問題は十分にクローズアップされてきているが、毅然とした態度で対応することが、現在の学校という閉鎖社会では難しい現実がある。クレーマーに対しては、情報を同僚の間で共有し、話し合いを重ね、校長を中心に一致団結して当たるのが正道なのだが、事実のもみ消しを図る校長や、関りを拒み、陰で非難をあびせる同僚たちのために心を壊す先生たちは少なくない。

現状を変えるためには、まず教職員に心のゆとりを持っていただくことが必要だと思う。

コロナ禍で教室の消毒の業務が増えたという声を聞くが、そもそも教職員でないとできない仕事なのだろうか?事務的な作業の何割かを業者に肩代わりしてもらったり、部活を地域のボランティアに頼んだりすることは無理なのだろうか?子供と他愛のない雑談をしたり、遊んだりする時間を教職員にもっと与えてあげてほしい。

地域とのつながりでオープンな職場環境に

個人の自由裁量が大きくなるほど、ストレスは軽減する。そして学校がもっと地域とつながり、自由でオープンな場になるべきである。

教師は医師と同様、古来より社会的に尊敬されてきた職業である。良い意味で威厳を持って、待遇改善を訴えてほしい。優秀な先生たちが心の病で何年も休職するほどもったいないことはないのだから。


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