強靭な医療体制構築のため選挙で明るい未来を築こう

2002年以降年以降、診療報酬は民主党政権時代の微増を除いて、小泉政権下でマイナス7%、安倍政権下でマイナス4%と合計10%以上も引き下げられており地域の医療機関の経営基盤は脆弱化している。

その一方、患者さんの窓口負担はこの20年間で2倍以上に引き上げられており、その結果、萎縮医療や受診抑制を招いた歴代政権の責任は大きい。

コロナ禍において、不幸にも毎日多数の死亡者や自宅医療難民が発生したことは、まさに政治による構造的な大失敗である。政府関係者などは、民間病院や開業医に責任があるかのような発言をし、自らの失政を糊塗しようとしている。

しかし、専門家の意見や保険医協会などの医療関係団体による貴重な提言を真摯に受け止めず、科学的根拠にもとづかない政策で、医療崩壊を招き、無辜のコロナ難民を多数発生させている責任は重大である。

そもそも、現政権は先の通常国会でコロナ禍にもかかわらず、病床削減を進める法案や「75歳以上の医療費窓口負担2倍化法案」の悪法を成立させた。

また、「新自由主義からの転換と新しい資本主義の実現、成長と分配の好循環」と大いに期待させた岸田政権においても、人事や政策において安倍・菅内閣の色が濃いとの指摘は少なくない。日本の将来、とりわけ医療体制の先行きは暗さを増すばかりである。

私たち医師は、今こそ声を大にして、低医療費政策から脱却し、強靱な医療体制を構築することを、要求し実現しようではないか。

まず第一歩として、大阪府保険医協会をはじめとした全国の保険医協会と保団連は、初・再診料など基本診療料の10%以上の引き上げを求める署名運動に取り組んでいる。

コロナ禍で明確になった医療体制の不備は、もちろん単に診療報酬の引き上げだけで解決できるものではない。第二歩に、患者負担の軽減など社会保障を拡充する抜本的な政策の達成が必要だ。

数日後には衆議院選挙が迫っている。今の政治が続けば、医療崩壊の犠牲はますます拡大するばかりである。医療機関や患者さんを苦しめてきた安倍・菅政治を改めさせる必要がある。

今回の総選挙は、市民と野党の共同による野党統一候補と与党候補との一騎打ちになっている。

国民の選択で未来は必ず変えられる。私たち医師も、スタッフや患者さんに呼びかけ、明るい未来を築きあげようではないか。


保険医新聞掲載

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