女性議員割合OECDで最下位 選挙結果に見るジェンダー問題

今回の衆議院選挙は各党とも準備期間が短かかった。しかし、停滞しているジェンダーフリー推進のきっかけとなり、社会に活力を与えるだろうと期待もされていた。

選挙の争点はコロナ禍問題、ジェンダー問題、気候変動問題などであった。今回は特にジェンダー問題に目を向けてみたい。

コロナ禍が生活を直撃して女性の自殺率が増加した。東京2020オリンピックで日本は「多様性の尊重と調和」を世界に宣言したが、その理念に反するようなことも多々起きた。選択的夫婦別姓問題、LGBT問題、男性育休問題、それ以外にもジェンダーに関連した社会問題が次々に起きている。

そんな中での衆院選であったが終わってみれば、投票率55.93%と戦後3番目に低かった。女性議員の躍進も無く、大きな風は吹かなかった。

当選した女性議員は前回2017年の衆院選47人(10.1%)に対し、今回は当選者465人中45人(9.7%)と2人減少し、1割を切った。

国は女性の議員数を増加していくため、2018年に「政治分野における男女共同参画推進法」を全会一致で可決。国会や地方議会の選挙で男女の候補者数が出来る限り均等になるよう目指すことになっている。

その後、2019年の参院選で女性候補は全体の28%だったが、今回の衆院選では1051人中186人で17.7%に留まった。

また、今回の女性の当選者の内訳は自民党が20人と最も多く、全女性当選者の44.4%である。しかし自民党の中では候補者段階で9.8%、自民党当選者に占める割合は7.7%でかなり低い。政権与党でありながら法律を無視した結果になっている。

一方、野党第一党である立憲民主党の女性議員は13人で、当選者に占める割合は13.5%、候補者中の女性比率は18.3%で前回より6ポイント低かった。立憲民主党は公約に「ジェンダー差別の解消」を掲げているが、どこまで本気なのだろうか。

ところで、国際的議員交流団体である列国議会同盟によると、2020年世界下院(衆議院)で女性議員の割合は平均25.6%、日本は9.9%と調査対象となった世界190カ国中163位でOECD諸国中最下位である。また世界経済フォーラムの調査(2021年)による「男女格差指数」で日本の順位が非常に低く(156カ国中120位)、男女格差が大きい。これは特に政治分野(156カ国中147位)の影響が大きいからである。

今後、日本の政治におけるジェンダーフリーを促進するために出来ることは何か。すでに、「政治分野における男女共同参画推進法」は施行されている。しかし、政党や政治団体にも取り組みを求めているが、功を奏していない。今後は強制力のある取り組み、例えば「クオータ制」の実施や「女性議員の少ない政党への政党助成金の減額」などが必要ではないかと指摘する専門家もいる。

また一方では、市民の政治への関心と投票率を上げること、特に女性を含む若年層に政治に関心を持ってもらう工夫が必要であろう。


保険医新聞掲載

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