大阪市潰しの「8区総合区案」よりコロナ対策の強化の議論求む

今回の「大阪市廃止 4特別区設置」の是非を問う住民投票は、5年前にすでに決着済みであった。しかし再び巨額の税金が投入され、コロナ禍にも関わらず実施された。結果は市民の良識に軍配が上がった。

吉村知事・松井市長が言う「身を切る改革」が本当なら、こんな税金の無駄遣いは二度としてほしくない。10年間の維新政治の総決算を掛けた住民投票であっただけに、敗北後ただちに松井市長は任期満了に伴う政界引退を表明した。当然である。

大阪府保険医協会は、大阪市内会員の全診療所に「65%の市の財源が府に吸い取られる。4特別区の自治機能の弱体化は明白である。したがって医療・社会保障、教育、なにわ文化の維持は困難であり、安心した生活の要である患者・住民へのサービスは低下する」と訴えさせて頂いた。

また患者・住民にも、根拠のない「大阪の経済は良くなる」というメリットばかり強調する大阪市廃止論に対して、カジノ・IRなどの問題点を具体的に根気強く示しながら訴えを強化した。二択を迫られた市民は、大阪市廃止の是非を巡る対話を重ねる中で、131年に亘る政令市大阪を、たった1日の住民投票で決めて良いのかという問題意識が高まっていった。

住民投票の民意無視市長「総合区案」検討

会員からは「今回ほど患者さんに熱く語ったことはなかった」、「初めてチラシ配りに参加した」、「市民に訴えるためにマイクを持った」、「反対ポスターはすでに貼ってある」などの感想が寄せられた。

また患者からは「大阪市が残って良かった」という多くの声が届けられている。診療所と患者との距離が縮まる文字通りの待合室キャンペーンが行われた結果である。

今後保険医協会としては、「大阪市をなくしたらあかん!」と「大阪市をなくしてでも、大阪を変えなあかん!」という対立は、知事・市長・維新の会から市民に持ち込まれた不幸な分断と捉え、「大阪をよくしたい」という思いは共通であることをしっかり受け止めるべきと考えている。

しかし松井大阪市長は、敗北直後政界を引退すると言明したにも関わらず、来年2月には「広域一元化条例、8区総合区案」なるものを性懲りもなく議会に提出するとしている。市民の真剣な投票行動を弄ぶものであり、許すことが出来ない。

市民望む「コロナ対策」を再度強く要請する

市民が望んでいることは、11月1日の前も後も、コロナ感染拡大を阻止する行政であり、職場を奪われている市民が安心して職場に復帰することである。マスコミで取り上げられる吉村知事の発言は自粛要請以外なく、松井市長に至ってはだんまりを決め込むだけで、大阪市内のコロナ対策には全く動こうとせず極めて無責任である。

保険医協会は、医療機関が安心して一般診療に従事しながら、コロナ・インフルエンザ対応に臨め、かつ住民が不安を払拭し日常を取り戻せるように、PCR検査センターの設置拡大、保健所機能の充実など「社会的共通資本の拡充」を府・市に再度強く要請するものである。


保険医新聞掲載

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