国に先駆け大阪で妊産婦医療費助成の創設を

現在、2020年度の診療報酬改定に向けて審議は大詰めを迎えており、この透視が出される頃には改定案が答申される予定だ。具体的な中身の是非はともかくとして、決められた手順と長い議論を経て改定されるはずの診療報酬制度が、大きく歪められたのが昨年1月に急遽凍結された妊婦加算である。

保険医協会は異例の手続きをもって進められた凍結に対して厳重な抗議を行うとともに、妊婦加算が世間的な批判を受けた根本的な原因には、重い患者負担の問題があることを指摘した。

妊産婦への診察は特別な対応と配慮が必要で、適切な評価を行うことは母子の命・健康を守ることにつながるものである。同じく特別な配慮を評価する「乳幼児加算」が批判にならないのは「子ども医療費助成制度があることで一部負担金が減額・免除されるからだ」という指摘が多くの関係者からもされており、保険医協会としても妊産婦に対して医療費を助成する制度が必要だとして、制度創設に向けた運動を行ってきた。

国に先駆けて、まずは大阪府下での妊産婦医療費助成制度の創設を求めて集められた会員院長署名は医科・歯科で1000院所を超え、昨年9月には大阪府知事宛に提出している。提出後に行われた記者会見では多くの報道関係者が集まり、協会として制度の必要性を改めて訴えた。

その後は府下の関係団体とも協力しながら患者署名にも取り組んでいる。集められた署名は大阪府議会に向けて2月25 日、提出する予定である。妊産婦医療費助成制度の創設実現に向けて、1筆でも多くの署名を提出できるよう、会員医療機関には最後まで協力をお願いする次第だ。

妊産婦医療費助成制度を実施している自治体はすでに数多く存在しており、栃木県などの4県では県内全ての自治体で実施されている。大阪府を含め全ての都道府県で実施することは決して実現不可能なことではない。かつて少数の地方から始まった乳幼児医療費助成制度が全国へと広がっていったことから考えても、もし大阪府で制度創設が実現されれば、大きな契機となって全国へと波及していくことが期待される。

安心して子どもを産み、育てることのできる制度を作っていくことは、これからの社会づくりに大きな意義を持っている。2月から行う予定の「STOP!患者負担増」の署名と併せて、社会保障を守り発展させていく取り組みの必要性がより一層高まっている。


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